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WORKS 2016

シミックファーマサイエンス バイオリサーチセンター新動物実験棟

用途:医療関連研究・実験施設
所在地:山梨県北杜市小淵沢町
延床面積:1,114.44m2
地上:1階

建築設計主旨

本建物のある小淵沢町は、八ヶ岳の南陵標高700m~1300mの高原地域にあり、美しいアカマツ林の豊かな森に恵まれ、個性的な大小の美術館やゴルフカントリークラブなどが集まり、日本でも有数の観光地として多くの人々を魅了しています。
「大自然の中の眺望のよい環境」という敷地を活かしつつ、八ヶ岳南陵のゆるやかな斜面にとけ込むよう平屋建てとしています。
正面のガラスカーテンウォール面は、四季折々の風景が写り込む自然にとけ込むファサードとし、合せて外壁の金属断熱サンドイッチパネルは縦張りとすることで端正ですっきりとした外観を形造っています。
各機能が密接に連携し、無駄を省き、動物実験研究施設として最大限に効率のよい平面計画としています。
飼育室は、クラス10,000から100,000のクリーンルームを内包するため、外壁面の開口建具は、最小限の計画としています。

構造設計主旨

本建物は、鉄骨造、平面形状52×22m(最大スパン10m)高さ7.8m、平屋建ての医療関連研究・実験施設です。
構造体として、柱は冷間成形角形鋼管BCR295、梁はSS400・SM490のJISロール材を使用しています。
桁行方向、スパン方向ともにラーメン構造、柱脚は露出在来柱脚です。
屋根は耐火下地断熱屋根、外壁は金属断熱パネルとしています。
1階床は構造スラブ、床下は点検ピットとしています。
基礎は、地耐力70kN/m2で布基礎としていますが、地盤が傾斜しているので地盤に添った基礎深さとしています。

設備設計主旨

動物実験・飼育施設にとって、温湿度環境、室圧管理は最重要であり、そのために大きな空調・換気エネルギーを消費します。
本建物では、これらの条件を満たしつつ、省エネに配慮したシステムを導入しています。
空調方式は、臭気や汚染空気の動物への影響に配慮して全外気方式を採用するのが一般的ですが、本建物では飼育室の空調系統に回転式の全熱交換機を設置し、約21,000CMHもの空調された空気を熱交換してから排気しています。
また、飼育室系統ごとに気密ダンパーを設け、中央監視装置からの操作で稼動していない系統の空調を停止することを可能にしています。
停電時は、発電機で飼育室系統の空調を100%バックアップしています。
飼育室以外は、換気のみをバックアップすることで、最小限の機能が維持できるように計画しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 高村潔、平井昌志、野尻進、太田英和、鬼頭朋宏
構造設計 出雲洋治、森田泰治、吉川裕亮、三戸直人
設備設計 岸野豊、永井伸二、仲村寿人
電気設計 岸野豊、遠藤晃、小泉真