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WORKS 2016

ナカニシフランクフルトオフィス アネックス

用途:事務所
所在地:ドイツ フランクフルト エシュボン
延床面積:2,736.64m2
地上:2階

建築設計主旨

日本の歯科医療用機器メーカーにおけるヨーロッパ拠点サービスセンターの増築計画です。
敷地はフランクフルトから12kmほど離れた郊外に位置し、南側に広大な森林公園に面した緑豊かな立地です。
家族的な組織に対応して、みんなが快適に働くことができるように「大きな家」のようなワークスペースをつくることをテーマとしています。
ドイツ北部の寒冷な気候の中で、自然の豊かさを感じられる開かれた空間作りを骨子として、日本ならではの内外を浸透させる自然親和的な空間づくりと、環境意識が高いドイツならではの環境省エネ技術を統合させることを目指しました。
プランニングでは、「森林公園を借景として、余白としての庭を対峙させる」「軒・縁側など中間領域を設け、働く場を開く」ことを目指しました。
北側の全長100mの通りに対しては、Ⅰ期とⅡ期を一体化させ雁行配置を採用することで、身体的スケールの街並みを創り出しています。

構造設計主旨

構造は、適材適所でエリアの特性に応じて、RCと木を使い分けた混構造を採用しています。
オフィスエリアは公園の緑を楽しむため、6m×6mのグリッド状に柱サイズφ280のRCスリムコラムを設置し、梁型をなくした350㎜のフラットスラブにより、眺望を確保しています。
また、1階から3mのキャンチスラブを持ち出すことで、外周まわりに回遊性のある軒空間を創出しています。
倉庫エリアは、RC柱に現地の集成材「ドイツトウヒ」を架けることで、32m×32mの無柱空間として、将来のラック増設を考慮したフレキシブルなスペースを構築しています。

設備設計主旨

ドイツでは、2014年にエネルギー節約法(EnEV2014/エネフ2014)が改正され、2021年までに新築建物をZEB化すべく建物の外皮性能(断熱)と設備の省エネルギー性能を数値で詳しく指定されることになりました。
その中ではエネルギーの評価書の明示が義務付けられています。
本建物も、エネフ2014に適合するように、ダブルスキンや外断熱を採用し、開口部の熱還流率や外壁や屋根の断熱性能を向上させています。
また、自然換気を促進するドイツの独自技術として、高気密な自動プッシュ型開閉サッシを搭載し、内部の環境変化に合わせて自動開閉して涼風を室内に取り込んでいます。
ペリメーターは、Low-eぺアの内側に方立に抱かせてガラス扉を嵌めることでエアフロー効果を促し、上部の三角ダクトから熱気や冷気を除去しています。
太陽光追尾型の電動ブラインドにより日射制御するなど、ドイツならではのエコファサードを構築しています。

担当

担当
基本設計・デザイン監修 大成建設株式会社一級建築士事務所
実施設計 Oeschner Architekten & Ingenieure
大成建設担当者
建築設計 平井昌志 古市理