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WORKS 2017

あつまるホールディングスNSP山鹿工場

用途:養蚕工場
所在地:熊本県山鹿市
延床面積:3,822.00m2
地上:1階

建築設計主旨

養蚕業を最先端の技術によって復興する建築
熊本県山鹿市はかつて養蚕業が盛んな地域であり、その復興への取り組みの中で計画された世界最大規模の養蚕工場です。
これまでは季節産業であった養蚕業を、クリーンルームでの通年養蚕という試みに取り組んでいます。   
ここでは桑葉を加工して人工飼料を製造し、蚕の餌とすることで、蚕種(卵)から繭までを徹底管理します。
特に飼育過程では、クラス10000のクリーン度を持ち、温度・湿度制御を行い、高品質で安定した繭の生産を可能にしています。
繭をイメージしたR形状のやわらかさと、山鹿市の山間の風景に溶け込むよう緑に映えるいぶし銀のカラーリングで親しみの持てる外観としています。
内観にはシルク由来の仕上げを積極的に使用し、ラウンジには伝統の山鹿灯篭をイメージした照明を使用しています。

構造設計主旨

本建物は、平屋建ての鉄骨造であり、矩形平面形状に対してバランスよく耐震ブレースを配置したシンプルな構造計画としています。
各ブレースへは、屋根面ブレースを介して地震力を流しています。
基礎種別は直接基礎とし、基礎下を地盤改良しています。

設備設計主旨

蚕の飼育室は飼育過程に応じた3段階の飼育室に分類され、それぞれが異なる温湿度で管理されたクリーンルームとしています。
また、運用開始以降に最適な飼育環境の探索が可能なように、温室度についてある程度の設定変更が可能な設計仕様としています。

エンジニアリング計画主旨

当工場は「蚕業革命」のパイオニアとした周年養蚕が可能な大規模養蚕施設であり、自動化された生産システムを構築しています。
養蚕飼育の要であり、人工飼料を作製する代表設備として桑葉加工設備と飼料調製設備があります。
桑葉加工設備では、生桑葉を自動的に破砕・洗浄・乾燥・粉砕する設計仕様としており年間飼育可能な生産設備環境を構築しています。
飼料調製設備では、桑葉粉末と副原料を混合練合した原料を圧送しシート状に圧延した人工飼料を飼育トレイに自動供給する設計仕様としています。

担当

大成建設担当者
建築設計 入江健二、橋爪宏直、村井勇介
構造設計 島村高平、寺嶋知宏、中野義達
設備設計 渋谷大介、竹内伸介、奥津健治
電気設計 渋谷大介、遠藤晃
エンジニアリング 渡部隆一、炭田光郎、川浦俊明、原一朗