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WORKS 2017

Brillia Towers 目黒ノースレジデンス・サウスレジデンス/目黒第一マンションズ

用途:集合住宅、店舗、駐車場
所在地:東京都品川区
延床面積:
(ノースレジデンス) 54,429.96m2(オフィス含む全体:127,600.38m2
(サウスレジデンス)43,900.03m2
(ノースレジデンス)
地下:2階/地上:40階/塔屋:2階
(サウスレジデンス)
地下:2階/地上:38階/塔屋2階

建築設計主旨

目黒駅前の賑わいのある商業地域と周辺の閑静な住宅地域をつなぐ、敷地面積約1.7haの駅前大規模複合再開発事業です。住宅の付加価値を住宅設備や仕上げだけではなく、普遍的な施設の魅力づくりと街づくりに着眼し計画を行いました。
かつての計画地では、駅前と周辺地域を隔絶するかのような擁壁を伴う敷地内外の高低差と境界が存在していましたが、高低差を街並みへ自然に馴染ませるようにランドスケープの操作を行い、近隣住民が気軽に入ることの出来る大きな空地や、建物内外の回遊動線などを確保する計画としています。
これはかつての花房山の稜線の再生でもあり、隣接街区をも取り込んだ駅前住宅地域の核となる広場整備でもあります。
レジデンス棟は容積を空へ高く積み、建築の足元空間は視認性が高く広がりをもった建築計画としています。
住宅足元の共用部は、屋外テラスや跳ね出しデッキ等、地域に開かれた憩いの場と空間的に連続する計画とし、住まいながらいつも森や人々のアクティビティ、気配を感じる空間としています。
高層部の住居や共用部は、花房山という高台立地を生かした都市的な眺望を積極的に取り込んだ気持ちのいい空間構成とし、「都心邸宅」にふさわしい住まいのありかたを提示しました。
都心の駅前開発における住環境のモデルケースとなるプロジェクトを目指しました。

構造設計主旨

安全・安心・快適な生活環境の提供、および将来の更新性などに配慮するために、ノースレジデンス棟、サウスレジデンス棟とも「免震構造+アウトフレーム架構+大型スラブ」を採用した構造計画としています。
ノースレジデンス棟は、隣接するオフィス棟とは基礎からエキスパンションにより分離させて、構造的に明快に独立した構造架構としています。
免震層は建物基礎位置に計画しているため、地上40階地下2階建ての建物ですが、構造設計上は42階建ての建物として設計しています。
サウスレジデンス棟は、平面的に基準階4隅の8本の柱を内側にずらし、外観上柱を消した架構が特徴的です。
この柱は、1階床下に設けた免震層で隣接柱と通りを揃えるため、3階から1階にかけて柱を斜めに架設しています。

基礎形式は、両棟とも場所打ちコンクリート拡底杭とし、杭頭部を半固定とした大成建設オリジナル工法である「F.T.Pile(Flex Top Pile)工法」を採用することで、大地震時の杭の損傷を最小限に抑えるように配慮した計画としています。

設備設計主旨

専有部の有効率の向上と設備配管のメンテナンス性の向上のために、設備配管等を直下階共用廊下の天井内で展開する「T-FLAT」工法を採用しています。
さらに共用廊下天井内にて展開する横引き給水管・ガス管を隔階配置して合理化させました。
また、初の屋内廊下での「T-FLAT」工法の採用でしたので、排水管から発生する騒音の廊下への影響も確認しながら排水管等の選定も行いました。
電力の引込については、通常、1敷地、1引込となりますが、A敷地では、レジデンスとオフィスが別事業主となりますので、東京電力との協議により送電区分を明確に分けて別引込みとし、資産区分、管理区分を明確にし、住宅部については電力一括受電を採用しています。

ランドスケープ設計主旨

城南五山の一つである花房山を再生し、土地の歴史・地理条件を活かした森づくりを計画しました。
地下躯体を住宅高層直下部分に集約する事で、本物の大地に根付いた森づくりを行い、大都市とは思えない広々としたランドスケープ空間を実現しています。
都市空間への貢献のみならず自然循環系を保全し、周辺地域の緑地とも呼応する環境を目指した「森の広場」には、高低差のある敷地を活かしたベンチやデッキステージ、小川等を設け、地域に開かれた憩いの場としています。
また、森を構成する樹木は、空間特性に合わせて配置の密度を変化させる事で、多様なシークエンスを生み出しています。
敷地の中心となる広場は密度を低くし明るく広々とした空間に、敷地全体は密度を少し上げ森の骨格となる空間に、隣地側や建築際となるエリアは密度を最も高くし緑量を充実させ森の核となる空間として構成しています。
更に樹木配置に合わせて、低木や地被植物、芝生等、林床にも変化を持たせ、四季彩り豊かな自然と様々な形で触れ合える計画としています。

担当

担当
基本設計 株式会社日本設計
実施設計 大成建設・竹中工務店設計共同企業体
(レジデンス棟・外構:大成建設、オフィス棟:竹中工務店)
大成建設担当者
総括 黒岩光浩
建築設計 教誓勉、渡邉智介、土谷睦、林美希子
構造設計 服部敦志、中島徹、高橋智也(前期)、松土智史(前期)、調浩朗(後期)
設備設計 小野田修二、川崎賢哉
電気設計 小野田修二、中井信雄、山梨絵美
ランドスケープ 蕪木伸一、藤澤亜子、木川薫

社外受賞

2018年 東京建物株式会社 Brillia Design Award 2017  最優秀賞
2018年 第21回 グッド・ペインティング・カラー 新築部門 優秀賞