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WORKS 2017

松屋銀座

用途:百貨店
所在地:東京都中央区
延床面積:4,5659.48m2
地下:3階/地上:8階

建築設計主旨

2019年に創業150年を迎える老舗百貨店「松屋」は、1925年の開業から時代の変遷と共に変化し続けてきました。
改修工事に合わせた松屋銀座店中央ホールの内装リニューアルは、「松屋らしさ」をアピールするブランディング向上を図るだけでなく、より安心・安全を目指した百貨店へと一新しました。
「WHITE HALL  ここにしかない、はじまりのカタチ」をデザインコンセプトに、上質・洗練・品格を体現する松屋らしさを目指し、普遍的でありながら流行にとらわれない建築に再生しようと試みました。
銀座でも数少ない垂直に伸びる中央ホールの吹抜空間は耐震補強された壁面に、縦方向の繊細なリブのグラデーションと調光・調色ライティングの組合せにより、変化にとんだ表情を生む仕掛けを施しています。
コンセプトカラーである白を基調とすることで、ドレープのような柔らかい表情の壁面が様々な催物や展示物を引き立て、空間の広がりを意識させます。
また、今まで利用できなかったトップライト上部を開放しテラスを創出することで、8階レストランフロアに賑わい効果をもたらしました。
都会の中で空を感じる隠れ家のようなテラスは人々の憩いの場として利用されています。

構造設計主旨

松屋銀座店中央ホールの内装リニューアルは、2000年から行われてきた耐震補強工事の一環として行われました。
中央ホールの吹抜空間の最上部には、1925年(大正14年)の竣工時に海外の百貨店をモチーフにした鉄骨トラスのトップライトがありましたが、現状では天井でふさがれおり、トップライトとしての機能は失われていました。
本工事で最上部のトラスを撤去し、8階レストランフロアに新たに構造床を構築しました。
約18m×18mの吹抜空間に床を新設するために鉄骨の格子梁を井形状に配置しました。
新設床の構造安全性を高めるために、鉄骨梁と既存柱との接続部は、PC鋼棒を柱に貫通させ、さらに緊張力を導入しました。
また、原設計では、耐震性能を向上させるために中央吹き抜けの周囲に鉄骨ブレース補強を行う計画でした。
ただし、1階ホール部は店舗として利用しており、その周辺にブレース補強を行うことはお客様の動線を阻害し、店舗としての機能を失うため、店舗機能を維持できるように鉄骨フレーム補強に変更を行いました。

担当

大成建設担当者
建築設計 高島謙一、田中英輔(前期)、土井健史(後期)、藪由香
構造設計 藤村太史郎、古賀威信
設備設計 福田浩(当時)、中砂克郎