HOME > WORKS2017 > OCS東京スカイゲート

WORKS 2017

OCS東京スカイゲート

用途:保税倉庫、テナント倉庫、事務所
所在地:東京都江東区
延床面積:20,282.68m2
地上:8階

建築設計主旨

ANAグループの一員であるOCS株式会社は、世界82カ国、190以上の拠点におよぶネットワークで、国際エクスプレス事業を展開している企業です。
そして創業60周年にあたる2017年に業務のさらなる効率化、および将来の事業拡張を視野にいれ計画された建物が「OCS東京スカイゲート」です。
この建物は、旧芝浦本社と新木場オペレーションセンターを集約し、保税エリア、テナント倉庫、本社機能という3つの異なる機能を一体として計画されました。
計画地である江東区辰巳は東京湾に面し、羽田空港、成田空港ともに近接した空へのアクセスが良い場所です。
また、首都高速湾岸線、新木場辰巳線に囲まれ、陸輸、海運、空輸という物流特有の大きなスケールを感じさせるダイナミックな環境を有しています。
その物流特有のスケールに呼応しながら、敷地環境をつなぎ合わせるHUBとしての建築を計画しました。
陸輸を迎えるゲートしての構え、空に開かれた2つの中庭、建築内部での緑化、自然採光の明るいオフィス、東京湾への眺望等を備えることで、環境を最大限建築内部で享受でき、また遠景からでも認識しやすい辰巳のランドマークとなる建築を目指しました。

構造設計主旨

上部構造は建築計画との整合性を考慮し、鉄骨造純ラーメン架構による耐震構造としています。
柱軸力が大きい倉庫階にCFT柱を採用し、建屋外周部の杭に過大な引抜力が作用しないよう耐震間柱等により適正な耐力と剛性バランスを確保しました。
また、基礎形式は杭基礎(既製杭)とし、支持層はGL-60m付近の砂礫層としています。
計画地は埋立地で地盤が柔らかいことを考慮して杭頭部は鋼管巻きとし、十分な構造安全性を付与する計画としました。

設備設計主旨

本社機能と物流拠点という要素から、災害など緊急事態発生時でも事業継続可能な建物として設備計画を行っています。
停電発生後72時間は施設の機能が最低限維持できるように非常用発電機から照明、コンセント、給排水ポンプ等へ電源供給をおこない、排水は緊急用汚水槽を設け3日間分貯留できる容量を備えています。
また、セキュリティの観点からAEO( Authorized Economic Operator)、RA(Regulated Agent)を支援する入退出管理設備、監視カメラ設備を導入しています。
さらに、全館LED照明、全熱交換器、節水器具等、省エネ・環境性能が高く使い勝手のよい設備機器を積極的に採用し、BEI値0.86を達成しています。

エンジニアリング計画主旨

1・2階保税エリアではANA沖縄ハブから夜間フライトを活用した国際宅配便の貨物を取り扱い、大幅な自動化処理をコンセプトに最新のマテリアルハンドリングシステムを導入しています。
2階にX線検査装置や計量器、ラベル位置に因らず読取可能なカメラ式3Dバーコードリーダーなどを設置し、貨物の行先等を読み取り、通関許可が下りた貨物はコンベアで1階に送られます。
1階には輸出入貨物を方面別・便別に仕分けるソーター設備などを設置し、航空機に搭載する貨物コンテナを人力で簡単に動かせるよう、当該エリアの床はキャスターステージを採用しています。

担当

担当
基本設計 株式会社梓設計
実施設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 椙山歩、上野弘二、前田有一、原田健介
構造設計 有山信之、西本信哉、萱嶋誠、斉藤舞
設備設計 渋谷大介、福田まなみ
電気設計 渋谷大介、鈴木秀佳
エンジニアリング 英昌孝、津田亮一、大村拓矢、熊谷健太郎