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WORKS 2017

東テクグループ本社

用途:事務所
所在地:東京都中央区
延床面積:5,697.51m2
地下:1階/地上:10階

建築設計主旨

日本橋地区に本社を構えてきた東テクグループの移転に伴う新築計画です。日本橋の風情や歴史の継承と、この地域との関わりに配慮した計画としています。
東テクは建築設備を取り扱う企業でもあり、この本社ビルは建築と最先端設備技術を組合せ、新世代へ向け更なる省エネを実現しています。
外観は、長い日本橋の歴史の中で光や風を制御してきた「縦格子」をモチーフとしています。二層毎に分節された格子ルーバーは、日射抑制と自然通風、近隣建物への視線制御、空調負荷の低減に寄与します。
各フロアを繋ぐ屋内階段は、ガラスカーテンウォール内に配置し、10層分の吹抜けを設けています。社員の上下階への移動と日本橋地域との繋がりを体現すると共に、各階によって分断されがちな部署間の出会いとコミュニケーションの場となります。
環境に対する配慮について建築を計画・設計する際に、省エネ設備技術を導入するだけではなく、日本の風土や気候によって培われた「格子」を進化させ統合し、新しいオフィス空間の創造を目指しました。
風情ある歴史の継承と賑わいを活かしたまちづくりによって、地域に根付いたいつまでも親しまれる建築となることを願っています。

構造設計主旨

柱のスリム化を図るため低層階(1~4階)にコンクリート充填鋼管柱(CFT柱)を採用しています。
10層分の吹抜けを持つ屋内階段は、外装カーテンウォールを受ける梁にボックス梁を用い、柱からの階段受けの片持ち梁をササラ桁と段板内に納めることで使用性と高い開放性を実現しています。
更に各階の踊り場先端部を上下階ロッドで繋ぐことにより歩行時の揺れを抑え、スレンダーでありながら快適性の向上を図っています。
また特徴的なファサードデザインを実現するため、外周部の鉄骨は先端を細く加工して鉄骨断面形状に配慮した構造計画を行っています。

設備設計主旨

「快適性と省エネの両立」、「エネルギー消費量の把握・最適運用」を、設備計画のテーマとしています。
人の在/不在を的確に検知できる「T-ZoneSaver」を全館に採用し、快適性を損なわずに照明・空調・換気の自動環境制御を行っています。
さらに3階~5階については、湿度制御性を高めた潜顕分離空調(DESICAシステム)とビル用マルチの個別風量制御性を高めたセル式空調(アズビル開発)を組合わせたシステムを実現し、さらなる快適性と省エネの向上を図っています。
セル式空調の事務所ビルへの本格導入は国内初の取組みとなります。
また、「T-GreenBEMS」を導入し、各種設備毎・フロア毎にきめ細かくエネルギー消費量を把握できるシステムを構築しています。
各階ディスプレイにおいてフロア単位、人員単位などの数値としてわかりやすく表示し、省エネ効果の把握や省エネ運用の最適化に寄与しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 高橋章夫、勝田知世
構造設計 新田隆雄、小林治男、船橋信吾
設備設計 豊原範之、山口亮、長徹、安田勝彦
電気設計 豊原範之、山口亮、齋藤允喜哉