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WORKS 2018

ベトナムダイキン工場

用途:電気工業工場
所在地:ベトナム フンイエン省
延床面積:40,025.62m2
(工場・オフィス棟)地上2階
(食堂棟)地上1階

建築設計主旨

省エネ型アクティブ空調とベトナムローカル材料・⼯法を活かしたパッシブデザインのハイブリットデザイン
ベトナム・ハノイから車で約1時間に位置するタンロン2工業団地内に、空調機器の世界的メーカーDAIKINが、家庭用エアコンの生産とブランドイメージ発信を目指したベトナムにおける初めての拠点です。
工場・オフィス棟は、200m×100mの圧倒的な大空間からなる生産エリアの前面に、オフィスやショールームなどの機能を持った2階建てのボリュームが隣接したシンプルな構成です。
省エネ型エアコンの仕組みを学べるショールームや、従業員や販売員が実物に触れながら日本的な教育を受け、トレーニングできる施設も完備することで、日本の省エネに対する最新技術をベトナムに普及させる目的も併せ持っています。
工場・オフィス棟の横には、従業員のための食堂棟を計画しました。
最新省エネ型エアコン(アクティブ空調)だけに頼らず、ハイサイド窓からの自然採光や重力換気、ベトナム伝統の「化粧ブリックスクリーン」による日射制御などのパッシブデザインも最大限取り入れました。
地球環境やサスティナビリティを大切に考え、風土に根ざしたベトナムの伝統素材を再評価し活かしたデザインは、ベトナムらしい風合いと洗練さを両立したファサードを実現し、心地よい憩いの食堂空間を生み出しました。

構造設計主旨

工場・オフィス棟は、鉄骨造1階建ての工場エリアの長手方向に鉄筋コンクリート造一部2階建てのトレーニングセンターが併設され、工場エリアの短手方向に鉄筋コンクリート造2階建てのオフィスエリアがEXP.Jを介して併設された構成となっています。
工場棟は、杭基礎により上部鉄骨屋根+RC柱のハイブリッドフレームを支持し、基礎・床は、設置機械の重量の違いによりエリアごとにスラブ厚さおよび支持杭のピッチを変えたマットスラブ形式としています。
屋根鉄骨には、ベトナムで広く用いられているPEB(Pre-Engineered Building)という構造を採用しています。
PEBは、応力に応じて断面せい・板材厚を部材途中で変えていく組立H形鋼柱・梁構造であり、その結果、非常に経済性にも優れた設計を実現しています。
食堂棟は、幅50m奥行40mの平屋でRC柱+鉄骨屋根構造としています。
屋根鉄骨梁を受けるために、40m奥行きの中央部に配置したRC柱には屋根高さに合わせコーベルを設けることで屋根段差を合理的に作り上げています。

設備設計主旨

日本の先端技術(CFDシミュレーション・省エネ空調など)とベトナム伝統工法を融合した省エネデザイン
工場エリアは、CFDシミュレーションにより自然給気・排気口の最適な位置・サイズを検討しました。
オフィスにはLED照明や省エネ型エアコン等を採用することで、標準建物(BEST相当)に対して年間エネルギー使用量の約28%を削減することが可能です。
食堂棟は、暑くない季節・時間帯(中間期)には、ガラス足元から新鮮な空気を取り入れ、重力換気を利用することでハイサイド窓(ガラリ)から排気する効率的なサーキュレーションを生み出し、一年を通して空調の負荷や使用頻度を低減しています。
省エネ型エアコンとパッシブデザインのハイブリット化により、高温多湿なベトナム気候において、現在にあったサスティナブルでかつベトナムの自然を十分に感じられる社員食堂を実現しています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所 ベトナム現地法人(VINATA International)
大成建設担当者
建築設計 前田康貴、前田邦紀、宮本勇樹
構造設計 太田雅昭、宮原貴昭
設備設計 仁志出博一、雪野健一
電気設計 仁志出博一、雪野健一

社外受賞

2018年 AIA JAPAN Design Award 入選
2019年 日本空間デザイン賞2019 食空間部門 入選