WORKS 2021

The Juban

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    正面外観:街に張り出す「リビングバルコニー」、木・鉄・コンクリートの素材感を活かした墨色の濃淡で、絞り込んだ要素を端正に構成

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    店舗正面:街路に対して最大間口を確保、セットバックにより街路と一体的な店舗前空間を演出

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    住宅アプロ―チ:「上質な下町感」の漂う路地風アプローチ空間、
    店舗間口の最大化に伴い屋外避難階段の避難経路と兼用しながらも、麻布十番らしい佇まい

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    雑式通り夜景-1:夕暮れの麻布十番の街並みに浮かび上がる積層する「リビングバルコニー」

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    雑式通り夜景-2:「淡墨色」のシャープなRC軒天・「濃墨色」の天然木隔壁・「茶墨色」のガラス手摺、
    素材感のある僅かな濃淡で、静謐さの中に陰影を湛えた奥行き感をつくる

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    雑式通り夜景-3:麻布十番の街に整形にすっきりと立ち上がる外観

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    リビングバルコニー:「設備が存在しない」ことにより、開放性が高まり生活空間の一部となる

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    エレベーターホール:素材の際立つシンプルな内観

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    リビング内観-1:構造体の気積を天井高に還元、生活空間の一部として一体的に使える「リビングバルコニー」にフラットに連続する

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    リビング内観-2:コンクリート打放しの天井により、陰翳が際立つ内観

用途
集合住宅、店舗
所在地
東京都港区
延床面積
3,182.64m2
階数
地上12階
Technology & Solution:
The Juban

建築設計コンセプト

<麻布十番、上質な下町に「墨色」の陰影を湛えた集合住宅>

麻布十番に建つ賃貸マンションと店舗の計画です。都心の一等地にありながら、下町感のある麻布十番、この街らしい「上質感のある下町風情」を創り出しています。

「破墨」がつくる端正で静謐な佇まい

外観は、バルコニーの構成要素を極限までそぎ落とし、「床・隔壁・手摺」の3要素に絞りました。水墨画に「破墨」という技法があります。濃淡の異なる墨を乾く前に素早く塗り重ねて、遠近感や立体感を出す手法ですが、「破墨」になぞらえる様、「淡墨色のコンクリート床」・「濃墨色の木隔壁」・「茶墨色の手摺」というように素材感を活かしながら「墨色」の濃淡だけでミニマルに構成しました。抑えられた表現が、その静謐さの中に陰影を湛えた奥行き感をつくり、麻布十番の「上質な下町風情」となります。

「集約化」がもたらすフレキシビリティー

設備・構造の集約化により(後述)、室内リビング~屋外バルコニーにかけての開放性と共に、フレキシブルな更新性を獲得し、生活空間の一部として使える「リビングバルコニー」を実現しました。

構造設計コンセプト

建物中心を貫くRCコア壁(厚さ60cm)に耐震要素を集約し、外周部の柱梁サイズをできる限り小さくする架構計画としました。縮減された外部フレームにはハイサッシを採用し、居室の開放性と眺望を確保しています。
リビング内は梁の無いフラットスラブを打放し仕上げで露出させ、フレキシブルな空間を最大化するSI(スケルトンインフィル)システムを構築しました。

設備設計コンセプト

一般的に住宅のバルコニーに置かれる室外機や給湯器、その他雨樋や排気のベントキャップ等の設備要素を、「T-FLAT」の配管ルートを活用して各階の設備バルコニーに全て集約させました。こうして各住戸のバルコニーに設備類を表出させず、リビングの延長として利用できる特徴的なバルコニーを実現し、高付加価値の賃貸住宅としました。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 渡邉智介、横山恭太、水野裕介、小野塚直
構造設計 河本慎一郎、川岡千里、山崎章子、藻川哲平
設備設計 川崎賢哉、小畠忠久、山本健太郎
電気設計 川崎賢哉、中井信雄、池上海

受賞

2022年 グッドデザイン賞
2022年 照明施設賞

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