WORKS 2021

大成ロテック鴻巣研修センター

Taisei Rotec Learning Center

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    各ゾーンの異なる振る舞いが、家具を介してレイヤー状に重なる

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    共用室全景(左からスタディ、リラックス、アクティブゾーン)

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    改修前 アクソメ図

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    改修後 アクソメ図

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    スタディゾーン(左・中央)

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    居場所を創る基壇状のスタディゾーン家具

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    リラックスゾーン(中央)

  • 大成ロテック鴻巣研修センター

    アクティブゾーン(中央)

用途
研修施設
所在地
埼玉県鴻巣市
延床面積
10,117.96m2
階数
地下1階、地上5階、塔屋2階

建築設計コンセプト

既存を活かした共用部の大幅拡充により、研修生の交流を誘発するウェルネススペース計画

大成ロテック創立60周年事業の一環として実施した、鴻巣研修センターの宿泊フロアのリニューアル計画です。
宿泊室内は前回改修の際に簡易なパーテーションでT字に区切られ、「4人部屋」→「1人部屋×2+共用の前室」に変更されていましたが、壁上部には法的に一体の部屋とするための欄間開口が設けられており、今回の改修ではプライバシー確保の観点からパーテーションを撤去の上乾式壁を新設、完全個室化を要望されました。

<提案>
中廊下の壁を撤去、廊下の範囲を既存スチールパーティションの壁面まで拡幅する計画です。パーテーションを既存利用することにより建具・壁の新設が不要となる上、細長い中廊下を開放的な32m×5.6mの共用スペースに転換することが可能となりました。
壁解体に伴い露出した柱型を家具として設えることでインテリアと一体化、長手32mの空間を緩やかにゾーニングする新たな分節装置として利用しました。

<ゾーニング>
共用スペースをそれぞれ特徴の異なる3つのゾーンに分け、研修生がその時々の気分によって過ごし方を自由に選べる、おおらかな一体空間を実現しました。
宿泊型研修所における、コミュニケーションの場としての新しいウェルネスゾーンを創出する平面構成となっています。

<内装>
外構工事を主とする大成ロテックから着想を得て、床仕上げはモルタル調や人工芝を主軸とし、柱型家具は棚板を塗り分けて舗装の積層を表現するなど、外構を想起させる仕上げ材で構成しています。
ただしインテリア全体としては、荒々しい素材感と対比的にクリーンな白い壁面が全体の印象を引き締めることで、新設/既設がバランスよく共存した居心地の良い共用空間となることを目指しました。

設備設計コンセプト

改修範囲の宿泊室照明・空調は数年前に補助金による改修を行っており、今回改修では補助金の返還を抑えるべく可能な限り補助金設備の既存利用検討が必要でした。

<照明計画>
宿泊室照明は既存器具(LED)を活かし取り、再設置を行いました。共用部については二重天井部にダウンライトを新設、直天部分にワイヤー吊りのライン照明及びペンダントライトを新設することで意匠的な空間のメリハリと照度確保の両立を図りました。

<空調計画>
補助金による室外機は基本的に既存利用とし、不足分を新設としました。空調機器については宿泊室の完全個室化対応のため各部屋に新設、ただし宿泊室内の既存空調機器については共用部に移設することで、新設機器を減らす計画としました。

<衛生設備計画>
既存A棟にも共用浴場があることに着目し、各宿泊室内に水回りを設けるのではなく各階に共用シャワー室を設ける計画としました。シャワー専用のガス給湯器を設置し、宿泊者が気軽に利用できるように配慮した計画としています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 渡邉智介、横山恭太、小野塚直
設備設計 竹内伸介、加藤加奈恵
電気設計 竹内伸介、武藤耕

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