WORKS 2022

静岡新聞・静岡放送東京支社リノベーション

The Shizuoka Shimbun,Shizuoka Broadcasting System Tokyo Branch Office Renovation

  • 南東側全景:耐震補強後も外観形状はそのまま、外装色は建設時の色に再生

    南東側全景:耐震補強後も外観形状はそのまま、外装色は建設時の色に再生

  • 南東側全景(改修前):改修前に外壁の色彩調査を実施

    南東側全景(改修前):改修前に外壁の色彩調査を実施

  • 東側全景(夜景):凹凸のある形状が際立つライトアップにより、地域のランドマークにふさわしい夜景に

    東側全景(夜景):凹凸のある形状が際立つライトアップにより、地域のランドマークにふさわしい夜景に

  • ピロティ外観(夜景):既存池の躯体を残しながら、照明付きのデッキカウンターに転用

    ピロティ外観(夜景):既存池の躯体を残しながら、照明付きのデッキカウンターに転用

  • エントランス外観(夜景):床・壁は1999年改修時の花崗岩を残置

    エントランス外観(夜景):床・壁は1999年改修時の花崗岩を残置

  • 1階エントランスホール:木調仕上、円弧上の自動ドア、受付カウンターを加えたエントランス

    1階エントランスホール:木調仕上、円弧上の自動ドア、受付カウンターを加えたエントランス

  • 1階エレベーターホール・階段:床・壁は1967年建設時の大理石を残した

    1階エレベーターホール・階段:床・壁は1967年建設時の大理石を残した

  • 2階フリースペース:働き方に応じた使い方が出来るコワーキングスペース

    2階フリースペース:働き方に応じた使い方が出来るコワーキングスペース

  • 基準階オフィス:省エネ化・温熱環境改善とセキュリティ対策を施したオフィススペース

    基準階オフィス:省エネ化・温熱環境改善とセキュリティ対策を施したオフィススペース

  • 1階脚部:鋼板と炭素繊維シートによる耐震補強

    1階脚部:鋼板と炭素繊維シートによる耐震補強

用途
事務所
所在地
東京都中央区
延床面積
1,493.10m2
階数
地下1階、地上12階、塔屋2階

建築設計コンセプト

建設当時の姿を保存・再生し、メタボリズム建築を継承する

1967年、東京・銀座に建設されたメタボリズムとして知られるモダニズム建築(丹下健三+都市建築設計研究所)の保存・再生プロジェクトです。
1993年に外装改修、99年に内装設備と外構改修を実施し、今後さらに数十年に渡って使用できるようにするため全面改修を行いました。特徴的な外観形状と室内空間の広がりを保持しながら耐震補強するため、円柱コアの内側から薄くて耐力の高い鋼板と炭素繊維シートで補強する工法を採用しました。
外装色については建設時の写真に比べて退色していると考えられたため、塗装調査を実施し、建設当時の色を再現しました。
さらに軒天や円筒へのライトアップにより、昼夜、地域のランドマークにふさわしく再生しました。
また、内装と設備は刷新し、セキュリティ強化やBCP対策、バリアフリー対応、コワーキングスペース等を整備し、今の時代に合った使いやすい執務環境に整備しました。
新しい機能・価値を積み重ねることでメタボリズム建築を次代に継承します。

構造設計コンセプト

既存架構は、地下階から円筒状のSRC壁が建物頂部まで立ち上がり、壁に内蔵される鉄骨柱から鉄骨梁が片持ち形式で張り出すことで各階の執務室床を支持しています。
その特殊な架構形式のため、耐震診断は質点系モデルを用いた時刻歴応答解析により建物の弱点を把握しました。
耐震補強は建設当時のフォルムの保持と同時に、狭小な空間の使い勝手を確保するため内部からの補強とし、円筒壁脚部(1階まわり)の曲げ補強として炭素繊維シートを貼付け、低層階(1~4階)のせん断補強として鋼板を設置しました。また、上下地震動に対し、一部の片持梁の元端が降伏するため、鉄骨成を上げる補強を行いました。

設備設計コンセプト

設備全般のリニューアルを行いました。機器類とダクト、配管配線類も既存撤去の上更新しました。
特に、経年劣化による空調の効きの悪さや冬期の湿度不足を改善するために、空調設備をリニューアルし室内環境の改善を行いました。冬期に湿度が確保されるように個別に天井カセット型の気化式加湿器を設置しました。また、自社で使用する階の空調設備は、個別制御性を高めるために冷暖フリー型に変更しました。
電気設備は、発電機について、保安負荷の一部見直しを行い、容量をサイズダウンすると共に、BCP対策として、継続運転15時間以上を確保しました。また、照明は省エネルギーを配慮し、配置見直しした上でLED化しました。色温度は執務室内を4000K、ホール・階段3000K、水回りを3500Kと段階的に変えた落ち着いた印象です。また、夜景を考慮し、外部とエントランスを3000Kとし、室内照明と合わせて建物全体をあたたかく照らします。

担当

担当
原設計 丹下健三+都市・建築設計研究所
改修設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 西田勇人、渡邉ゆたか
構造設計 藤村太史郎、中尾文彦、福田優子
設備設計 竹内伸介、賀上貴明
電気設計 古宇田真一
インテリアデザイン 伊藤誠悟
伝統保存(色彩調査) 杉江夏呼、田中良

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