WORKS 2025

ヒューリックスクエア福岡天神

Hulic Square Fukuoka Tenjin

  • 北東側外観

    北東側外観:九州最大の繁華街、天神の入口に建つ、にぎわいを凝縮させた、福岡/天神の「新しいGATE」となる複合施設

  • 北側外観

    北側外観:用途とそれぞれに最適な構造形式の積層した様子が外観の分節として表出。
    博多織をモチーフとしたプレキャストコンクリート板による「帯状幾何学パターン」を外装として用いることで、統一感のあるデザインとした

  • 北東側外観(上部)

    北東側外観(上部):福岡市を取り巻く山並みと呼応する、外装の「帯状幾何学パターン」

  • 南側エントランスピロティ

    南側エントランスピロティ:南側の明治通りに大きく開いたエントランスピロティ

  • 地下2階立体広場

    地下2階立体広場:市民の憩いの場となる地下立体広場

  • オフィスフロア

    オフィスフロア:開放的で使いやすいS造のオフィス

  • 19階ホテルロビー

    19階ホテルロビー:福岡の夜景が川面に映る様子をイメージしたホテルロビー

  • ホテル客室

    ホテル客室:整形で居⼼地よいRC壁柱構造のホテル客室

  • 9階空中庭園

    9階空中庭園:400年の歴史を語る旧建物の中庭にあった由緒ある⽯庭の復元

  • 用途/構造/外装ダイアグラム

    用途/構造/外装ダイアグラム:商業、オフィス、ホテルといった異なる用途のそれぞれに、S造やRC造といった最適な構造形式を採用。
    それらの異なる用途/構造を積層し、それぞれの特徴を建物外観にダイナミックな分節として表現

用途
ホテル、事務所、物販店舗、飲食店
所在地
福岡県福岡市
延床面積
20,682.92m2
階数
地下3階、地上19階、塔屋2階

建築設計コンセプト

福岡/天神の新しい「GATE」の創出

本建物は、九州最大の繁華街である天神の中心部、地下鉄天神駅に直結する敷地に建つ、ホテル・オフィス・商業施設からなる複合施設です。福岡市が推進する「天神ビッグバン」の誘導方策に応え、限られた都市敷地に多様な機能を高密度に積層しました。人々が集い、働き、滞在する多様な活動の重なりを、都市の新たな賑わいへと変換することを試みています。

「積層」による賑わいの凝縮と発信

商業・オフィス・ホテルという、利用される時間帯や利用者の異なる用途を、それぞれに適した構造形式とともに垂直方向へ積み重ねています。低層部、オフィス、ホテルロビーには、開放性と可変性を重視したS造を採用しました。一方、ホテル客室階には、整形性と居住性を確保するRC壁式構造を採用し、用途の特性と構法の合理性を一致させています。こうした構造形式の切り替えを外観の分節として表現することで、建物内部の機能構成を都市に向けて発信しています。

時間とともに表情を変える「帯状幾何学パターン」

博多織に通底する反復の律動と幾何学的な秩序を、建築表現へと読み替えました。外装を構成する「帯状幾何学パターン」は、用途や構造の違いを内包しながら、建物全体を一つの表現として統合しています。折り紙を折ったようなPC面の凹凸は、日射や見る角度の変化によって陰影を変え、都市景観の中に時間とともに移ろう表情を生み出します。

「地域の交流拠点」の形成

地下鉄コンコースと明治通りをつなぐ立体広場は、地上と地下に分断されがちな歩行者ネットワークを立体的に接続しています。地下にありながら明るく開放的な広場、街路に向かって大きく開かれた低層部、さらに緑化・ベンチ・パーゴラ・ドライミストによる滞留空間を設けました。これらの空間によって、単なる移動のための動線を、人々が集い、滞在する地域の交流拠点へと転化しています。

「福岡/天神のエレメント」の集積

建物内外のディテールには、福岡/天神の景観・文化・記憶を積極的に取り入れています。低層部には福岡県産の木材を用い、来館者を温かく迎え入れる空間をつくりました。商業共用部には、小石原焼の「飛びカンナ」をモチーフとした特注タイルを採用し、地域の伝統工芸を現代建築の素材として展開しています。また、旧建物から継承した400年の歴史をもつ石庭を9階に再構築し、都市の記憶を新たな休息の場へと受け継ぎました。ホテルロビーやラウンジでは、福岡の夜景が水面に映り込む情景や博多湾への眺望を取り込み、地域の魅力を来館者に発信する場としています。

福岡/天神に根差しながら、このまちがもつ賑わいと記憶を未来へと継承する建築を目指しました。

構造設計コンセプト

異なる用途にそれぞれ最適な構造形式を採用

高さ方向に異なる用途(低層オフィス階+高層ホテル階)で構成される建築計画に対し、それぞれの用途に求められる空間に最適な構造形式として、低層階S造+高層階RC壁柱構造を採用しています。
高層ホテル階は、居住性能および客室レイアウトとの整合を重視して外壁・内壁を利用したRC壁柱構造とし、約15mのロングスパン梁を有する低層オフィス階は、コアを心棒ブレースとして利用したS造ラーメン構造としました。
高層階と低層階で異なる構造形式を採用することに対し、高層階の最下層である10階梁を梁せい3mのSRC造基壇梁とし、高層階から低層階へ確実に荷重伝達できるように計画しています。
高層階は豊富な壁量によって非常に高い剛性・耐力を確保できることから、レベル2地震時(構造物の耐震設計において、発生する可能性がある最大級の地震動)にも弾性内に留める計画とし、低層階に配置した制振部材で地震エネルギーを吸収する計画としました。

設備設計コンセプト

最新技術を用いて環境負荷を低減

トップランナー変圧器、自然換気、居室CO2濃度制御、潜熱回収給湯器、マイクロコージェネレーションの導入、T-Green®Multi Solar※1(パネル部)による省エネ効果の向上、節水型衛生器具の導入と便所洗浄水に対する中水・雨水利用により水使用量を低減することにより、環境負荷を軽減する方針としています。

※1 T-Green®Multi Solar:当社が開発した意匠性の高いガラス一体型発電システムです。太陽電池を合わせガラスで挟み込むことで、外装そのものが発電システムとなり様々な規模の建物に導入できます。建物単体で自立した電源を有するので停電時の備えとなり、街全体のレジリエンスも 高まる安心の発電システムです。
(詳細:意匠性の高いガラス一体型発電システムT-Green®Multi Solar | 省エネルギー・創エネルギー | 大成建設 Technology & Solution テクノロジー&ソリューション(テクソル)

担当

基本設計 株式会社日建設計、大成建設株式会社一級建築士事務所
実施設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
商業デザイン 高島屋スペースクリエイツ株式会社
ホテルインテリア 株式会社Design Eight
大成建設担当者
建築設計 塩⾕尚斉、岸田俊一、中塚大介、中野弥、⾬宮なみえ、澤田拓巳
構造設計 藤山淳司、今津裕子、山形有紀、⼩泉光市、安田賀奈、天羽翔太
設備設計 渡辺睦典、宮本敬介
電気設計 渡辺睦典、野本⿇貴
ホテルインテリア 大野博⽂、髙橋洋介、塚原香
法規 藤原稔

社外受賞

2025年 第28回 グッド・ペインティング・カラ- 特別賞

SEARCH