NEWS 2022.03

「瑞泉閣」が日本建築学会作品選集2021-2022に掲載

  • 北西側外観

    北西側外観:嘉仁親王が宿泊したれんが造の洋館と従者が使用した木造の和館が並ぶ外観。110年を経た現在も創建時と変わらぬ姿を維持

  • 北東側外観

    北東側外観:外観を印象づける3本の煙突。FRPで忠実に再現し外観を保存

  • 控の間・謁見の間・御座所

    洋館内部(控の間・謁見の間・御座所):メタルシーリングや木製建具、照明器具など、貴重な創建時の内装材は再利用

  • 御寝所

    洋館内部(御寝所):華麗な装飾があふれる。耐震補強部材は一切見せていない

  • 創建当時の瑞泉閣

    明治44年(1911年)創建当時の瑞泉閣

  • 施工中写真

    施工中写真:鉄筋コンクリート臥梁は内外部に露出しないよう、れんが壁頂部5段を撤去して同高さで新設。鉄骨補強ブレースは、れんが壁の面外方向の倒壊を防止するため菱形に設置

一般社団法人日本建築学会が2022年3月に刊行した「作品選集2021-2022」に当社設計・施工作品の「瑞泉閣」が掲載されました。
作品選集の刊行は1989年に始まり、日本における優秀な建築作品の発表の場として国内外より高い評価を受けています。

一般社団法人日本建築学会:https://www.aij.or.jp/

瑞泉閣

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北側立面図
断面詳細図

明治44年(1911年)、皇太子嘉仁親王(後の大正天皇)の北海道行啓の際に建設された洋館と和館からなる宿泊施設です。
設計者は不明ですが、施工は大成建設の前身である大倉組が担当しました。
現在は、日本製鋼所のVIPを迎える際の食事と見学のための迎賓館として使用されており、近代化産業遺産群「室蘭市の鉄鋼生産関連遺産」の構成遺産、日本遺産「北方国策を北海道に見よ!~北の産業革命「炭鉄港」~」の構成文化財に選ばれるなど、広く文化財価値が認められています。
2007年に和館の耐震補強、洋館の内外装の改修を実施し、2020年の今回は洋館の耐震補強を実施しました。
耐震補強は、れんが壁の頂部から基礎まで貫通する孔を掘削し、高強度鉄筋を挿入・緊張することでれんが壁自体に耐震性を持たせる工法を採用しました。
外観を印象づける3本の煙突は、当初はれんが積みでしたが、地震時に倒壊する危険性があり現在使用していないところから、実測の上撤去し、FRPで忠実に再現しました。
耐震補強は全てれんが壁内・小屋裏・床下で行い、空調・衛生器具の更新は行いましたが、照明器具については球のLED化のみとし、器具を再利用することで内外装を維持しました。
施工上解体した小屋組・天井メタルシーリング等の既存部材は、劣化部分を補修の上可能な限り再利用し、屋根スレートは建物性能上撤去・更新しましたが、同材料・寸法としました。
以上により、外装・内装とも創建当時の姿をそのままに、建物の文化財的価値を損なうことなく保存することが出来ました。

建物概要

  • 建築主
    株式会社日本製鋼所
    所在地
    北海道室蘭市茶津町4
    用途
    迎賓館
    構造
    れんが造、木造(一部廊下、テラス、小屋組)
    階数
    地上1階
  • 敷地面積
    991,753.000m2
    建築面積
    517.555m2
    延べ面積
    527.555m2
    工期
    2019年7月~2020年7月
    設計
    大成建設株式会社一級建築士事務所
    施工
    大成建設株式会社札幌支店

大成建設担当者

  • 松尾浩樹
    建築設計
    松尾浩樹
  • 杉江夏呼
    建築設計
    杉江夏呼
  • 中谷扶美子
    建築設計
    中谷扶美子
  • 藤村太史郎
    構造設計
    藤村太史郎
  • 井之上太
    構造設計
    井之上太
  • 山本進
    設備設計
    山本進
  • 藤間一憲
    設備設計
    藤間一憲

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