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WORKS 2000

エコビレッジ松戸

用途:集合住宅、独身寮
所在地:千葉県松戸市
延床面積:8,544m2
地上5階

建築設計主旨

「エコビレッジ松戸」は、某財団法人の社宅・独身寮である設計コンペにおいて「21世紀にふさわしい住宅として、エネルギー資源の節約、有効利用ならびに地域共生を考慮した環境配慮型集合住宅」を実現するプロジェクトとして当選し、2000年6月、千葉県松戸市に竣工しました。

日当たりと風通しの良い街づくり
家族棟住宅は真南を中心にサークル状に配置しています。南の隅に密集していた既存樹木を全面的に保存するとともに、動線やコミュニティの要であるコモンガーデンを囲み込むように創るためのレイアウトです。これは日照と、この地域の季節風にも配慮した配置となっています。夏は卓越風である南南西の風を住棟間のスリットを通して呼び込むように、冬は北西からの季節風を受け流すようになっています。また、分棟化により日照、通風、換気、プライバシーといった戸建住宅の良さを集合住宅においても実現しています。
健康で安全な次世代型長寿命住宅
家族棟住宅は階高3.2mと一般より高くとり、高い天井高の、明るく開放的なリヴィングルームをつくるとともに、さらに逆梁を利用して床下収納や掘ごたつの設置、そして設備の配管ダクトを床下展開として、メンテナンスや将来の改修工事を行いやすくしています。構造躯体には高耐久性コンクリートを使用し、長寿命化を図っています。
環境デザインからのアプローチ
松戸市にはビオトープネットワークによる街づくり構想があり、これを踏まえて地域の生態系と連携する飛び石ビオトープを創っています。“コモンガーデン(中庭)”には暮らしの中で自然や“農”を楽しめるように、せせらぎと井戸、トンボ池、ミニ農園、果樹林、コンポストなど多様なアクティビティを支えるしくみを導入し、コミュニティを活性化しています。既存樹木を全面的に保存した“既存緑地の森”はクスノキやオオムラサキツツジなどを活かした野生味のある子供の遊び場としています。また、境界部に塀を作らないなど地域に対しオープンでパブリックな環境デザインをめざしています。
住空間の快適性と省エネ・省資源
省エネルギー対策としては、まず、パッシブなシェルターとしての建築的対応を基本と考えています。戸内の欄間の設置による自然換気(通風)、ルーバーや壁面緑化による日射制御、屋上緑化やダブルルーフ、ペアガラスの採用、外壁や屋根の高断熱・高気密化を行っています。
環境整備テクノロジー
“電力の平準化”、つまり「昼間の電力使用量を極力夜間へ移行するための技術」として、氷蓄熱・多機能ヒートポンプ『ホームアイス』を今回家庭用に開発しました。これは、氷蓄熱空調とヒートポンプ給湯を行い、廃熱を回収しながらエネルギー効率を大幅に高めるシステムです。また、『カベクール』は、夏場においてヒートポンプ給湯機の稼動時に発生する冷熱を各戸に伝え、躯体蓄熱を利用して、夏の就寝時の輻射環境を改善し快適環境を朝まで保つシステムです。このようにして電力負荷平準化をしながらエネルギー効率を大幅に改善し、省エネルギーとCO2排出抑制を実現しています。

担当

大成建設担当者
総括 伊藤治麿、山田達行
建築設計 北岡治 、佐伯徹
構造設計 穂刈孝史、森田泰治
設備設計 高橋淳一、吉永實、小林光
ランドスケープ 人見修、蕪木伸一、川崎泰之、清流忠邦

社外受賞

2001年 第9回 環境・省エネルギー建築賞審査員会奨励賞
2001年 第8回 千葉県建築文化賞
2001年 関東甲信越建築士会建築作品コンクール入賞
2002年第16回 空気調和・衛生工学会振興賞技術振興賞