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WORKS 2008

大本 東京本部

用途:宗教施設
所在地:東京都台東区
延床面積:3,392.98m2
地上:8階

建築設計主旨

芸術や学術など文化の拠点でもある上野の地に、宗教法人大本の開教120年記念事業の一環として、新東京本部が造営されました。4階建ての低層棟と8階建ての高層棟は免震などの最新技術が採用された現代建築である一方、華道の型である「真・副・控」の構成を参照して配置されています。
また、「芸術は宗教の母」と説く大本の教風を踏まえて、日本の伝統美を持つ、屋根、能舞台、茶室等を庭園と関係性を持たせて配置するなど伝統美の再構築を試み、新しい表現を生み出しています。
外観のカーテンウォールは全面をガラスと障子によるダブルスキンとし、自然光を取り入れながら、環境負荷を低減しています。夜間は障子を柔らかな間接光でライトアップすることにより、行灯のような光のファサードを実現しました。

構造設計主旨

本建物は、1階基礎梁下の位置に免震支承を配置した免震建物として計画し、高さ29mを超える「高層棟」と神前の間を有する「低層棟」から構成されています。高層棟と低層棟を一体にすることにより高層棟脚部に配置した免震装置および杭に生じる引抜力を抑えた合理的な計画を行っています。また免震にはハイブリットTASS構法、杭にはFTパイルを活用し地上・地下ともに経済的な設計となっています。
架構形式は耐震壁付ラーメン構造、構造種別は耐久性・遮音性の高い鉄筋コンクリート造としています。特に躯体に使用するコンクリートは強度をFc30以上として、耐久性を高めることで100年建築を目指しています。また低層棟3階の神前・能舞台においては上部の屋上床梁を鉄骨造とすることによって無柱空間を実現し、粛然とした空気に満ちた大空間を構築しました。

設備設計主旨

本建物では、施設利用者自身による設備の維持管理を実現するため、快適性、意匠性とともに安全性、維持管理の容易性に留意した設備計画としています。
館内には拝殿や能舞台もあり、和風建築の雰囲気を壊さないように照明器具や空調吹出口などの選定、配置に留意する一方、運用が容易な照明設備や、必要各所でのモニタリングが可能なAV設備を設置しました。
また、太陽光発電設備、雨水利用設備、高効率照明器具、照明のセンサー制御などの採用により、省エネルギー・省資源を通して環境に配慮した建物となっています。

担当

担当
CM株式会社NTTファシリティーズ
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 小笠原祥仲、西尾吉貴、勝又俊男、片瀬順一
構造設計 佐藤芳久、早部安弘、渡邉祐一
設備設計 熊谷智夫、梶山隆史
電気設計 熊谷智夫、塚田文哉、山中康弘
ランドスケープ 蕪木伸一

社外受賞

2007年照明普及賞 優秀施設賞