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WORKS 2016

ベトナム東京健康科学大学

用途:大学(保健医療)
所在地:ベトナム ハノイ
延床面積:9,972.00m2
地上:4階

建築設計主旨

本建物は、ハノイから車で30分の近年開発されたエリアに位置し、保健医療分野の人材不足を解消するために、ベトナムの学生に「日本の看護教育や高度な保健医療技術」を提供する大学です。
ベトナムの学生がこの校舎を通して、日本の文化や和の心に親しめるように「ベトナム気候にあったサスティナブルなローカル素材・工法」と「日本の文化」をうまく溶け込ませるデザインを目指しました。
具体的には、「深い庇を回した中庭」・「ポーラス(多孔質)ブリックスクリーンを用いた日射制御」など、高温多湿で日差しが強いベトナムの気候に適した現地の建築文化や技術を採り入れることで、自然採光や自然換気を最大限に活かした教育施設を実現しています。
こうした中に伝統的な「和」の設え(茶室・折鶴・飛石・屏風など)を融け込ませることで、教育カリキュラムからだけではなく、この校舎で過ごす日々を通して、ベトナムの学生が日本の文化や和の心を体験し、これに親しめることを意図しています。

構造設計主旨

中庭を囲む「ロの字平面」の校舎棟は、ベトナム建築において無理のない合理的なスパン構成(7.5m×10.5m)としています。
日本に比べて地震力が小さく、鉄骨造があまり普及していないベトナムでは、RC純ラーメン構造(RC耐震壁無)+コンクリートプロック壁とすることが最も経済的であり一般的です。
エントランス棟2階に位置する「日本ベトナム交流ホール」には、大スパン無柱空間(15m×22.5m)を実現するためにPC梁(ポストテンションタイプのプレストレスコンクリート梁)を採用しています。
また、建物北側は将来の増築計画に備え、エキスパンションジョイントにより2期校舎までの渡り廊下が接続できるよう計画しています。

設備設計主旨

ベトナム気候に適したローカルな環境デザインを目指し、「ブリックによる日射制御」だけではなく、教室・研究室にはシーリングファンを設置することで中間期(12月~3月)は自然換気を最大限利用する設備計画としています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所 +ベトナム現地法人(VINATA International joint venture)
基本構想 学校法人早稲田医療学園
大成建設担当者
建築設計 前田康貴、荒巻剛哉、加藤誠、宮本勇樹、各務篤史
構造設計 太田雅昭、平田努
設備設計 仁志出博一
電気設計 小川武史