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WORKS 2017

レッドウッド藤井寺ディストリビューションセンター

用途:物流施設
所在地:大阪府藤井寺市、松原市
延床面積:177,514.74m2
地上:5階

建築設計主旨

関西内陸部の藤井寺市と松原市にまたがって、西名阪自動車道、松原ジャンクション至近に立地している国内最大規模の延床面積を誇るダブルランプウェイを備えたセンターバース形式のマルチテナント物流施設です。
建築に先立つ発掘調査で古墳時代の遺構や遺物が出土したことにより大地の記憶を遺したいと考え、「大地の記憶を継承する」をコンセプトとし、「地層」「地形」をキーワードにヒューマンスケールの様々な場所でデザインの展開を図りました。
出土した遺構や遺物は行政協力のもと、考証、再現、復元したものを作り、エントランスホールの床及び壁面に内包し、訪れた人へ大地の記憶に思いを馳せる空間を提供しています。
この地は準工業地域内に位置しながらも、のどかな田園地帯の市街化調整区域に接しています。
物流施設の機能性を充分に備えた上で、周辺環境との調和、融合を図る為、建物配置の検討を重ね、近隣住民に対して良好な歩行空間を提供し、緑豊かな親和性をもつ地域景観の創出を目指しました。
カスタマーワーカーにとって働きやすく、誇りを持てる施設であり、更には地域の活性化に寄与する次世代物流施設です。

構造設計主旨

地上構造は、ブレース付きラーメン構造による耐震構造とし、重積載荷重、ロングスパンに適した柱RC造、梁S造の複合構造(ユニーク構法)を採用しています。
柱はプレキャスト化し、工期の短縮を図っています。
外壁及び区画壁位置には耐震要素「メガクロスウォール」をバランスよく配置することで、効率的に耐力と剛性を確保する設計としています。
メガクロスウォールを構成する耐震要素には、極大地震時においても優れた変形能力があり、部材の降伏によるエネルギー吸収により、地震の揺れを低減する効果のある「大成式座屈拘束ブレース(シェイプアップブレース)」を採用しています。
付属した2つのランプウェイは、純S造とし本体構造と一体化させています。
基礎形式は、杭基礎(既製杭)とし、支持層はGL-25m程度の砂礫層としています。杭頭は「大成式杭頭半剛接合構法(F.T.Pile構法)」を採用し、杭および基礎梁の安全性を高めています。

設備設計主旨

1テナントから最大20テナントまで対応可能なマルチテナントの為、テナント工事を見据えた設備計画としています。
具体的には、高圧変電設備に変圧器増設スペースの確保、ケーブルラックに幹線増設スペースの確保、倉庫空調室外機スペースの確保、倉庫外壁側に空調用ドレンを実装、給水配管・消火配管のループ化による圧損の低減、柱幅に納めた特注型屋内消火栓ボックスの採用等、ローコストでありながらマルチテナントに最適な設備計画としています。
さらには、ランプ内に高圧変電設備、ランプ下に設備機械室を設けることで、倉庫面積に最大限配慮しつつ、配管配線計画が最適化された設備機器配置計画としています。
環境配慮としては全館LED照明、節水型器具、全熱交換器といった省エネ技術を採用、浄化槽は凝縮剤添加型膜分離活性汚泥方式を採用、屋上屋根には太陽光パネルを設置しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 椙山歩、窪田朋子、伊東隆(前期)、前田有一、 下平将也(後期)
構造設計 有山伸之、伊坂隆則、野口裕介
設備設計 渋谷大介、河村尚美
電気設計 松浦尚彦(前期)、吉田幸生(中期)、加藤勇太(後期)