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WORKS 2019

パークホームズ北千住アドーア

用途:集合住宅
所在地:東京都足立区
延床面積:9,831.40m2
地上:13階

建築設計主旨

江戸時代に宿場町として栄え、近年では交通の利便性により賑わいが増している東京・北千住。
計画敷地の千住三丁目エリアは千住宿本陣があった歴史ある場所であり、周辺には歴史が感じられる古いお屋敷が点在しています。
この歴史ある場所性から和の要素を現代の意匠に溶け込ませる「Japanese Modern」をコンセプトに、街の歴史性と先進性を融合した外観・内観デザインとしています。
外観は、敷地南側のアーケードのあるメインストリートに対しシンメトリーなデザインとし、凸凹により陰影のあるバルコニー鼻先や頂部の庇により、見上げた時に繊細かつ端正な印象となるようにしています。
住宅エントランスへアプローチする西側壁面は、浮造りによる木目を強調した杉板本実打放しコンクリートを採用し、厚さが異なる杉板を型枠に張りつけることで、その凹凸により陰影のある表情としています。
住宅エントランス外観は、素材感のある2層のリン酸処理パネルのゲートと焼きむらのあるテラコッタルーバーで入居者を迎え入れ、商店街の賑わいと喧騒を忘れさせるような落ち着きと風格のあるデザインとしています。

構造設計主旨

1階、2階にスーパーマーケットが入り、3階から13階が分譲マンションとして構成され、異なる用途を上下に積む建物であるため、動線計画の分離と、北側の第三種高度斜線の制限をクリアするためのセットバックなどに配慮し、バランスの良い鉄筋コンクリート造として計画しています。
セットバックに対しては、偏心率抑制のため、下層階の一部の大梁を抜き、建物全体のバランスをよくしました。
梁を抜いた箇所は自由に設備配管を配置できるため、設備としてもメリットのある構造計画となりました。
建物の顔であるエントランス部分の杉板本実打ち放しコンクリートは、ひび割れに配慮した鉄筋量とし、落ち着きのある佇まいを演出しています。

設備設計主旨

住宅部分と店舗部分の間に令8区画(消防法施工令第8条による区画)を設けることで、それぞれ別の防火対象物とし、かつ、総務省令第40号を適用しました。
そのため2階の店舗エリアと3階の住宅エリアの間に設備トレンチを設け、住宅の設備系統と店舗の設備系統が交わることがないようにしています。
「Japanese Modern」をコンセプトにしたインテリアデザインを実現するため、各種設備は目立たないように、納まりや色合わせ等に配慮しています。
専有部は高効率給湯器、浴室暖房乾燥機、温水式床暖房、24時間換気(シックハウス対策)、CATV等を導入し快適な住環境となるようにしています。
マンション高圧一括受電方式を採用しています。
災害時の対策として、約72時間運転可能な非常用発電設備の設置やマンホールトイレを用意しています。

インテリアデザイン主旨

「Japanese Modern」をコンセプトとした和の意匠を感じるデザインとしています。
エントランスホールの床は、墨色の大判タイル、壁は外部から連続する杉板本実打ち放しコンクリート、天井は木調パネルとしています。
エントランスホール正面には素色の版築左官で仕上げた壁に朱色の漆アートを配し、間接照明による演出で居住者を迎え入れます。
アートラウンジは、住人が落ち着ける空間でありながら、凛とした場所であることを心がけてデザインしています。
和紙の光壁や櫛引の左官壁、2色の木目を用いた格子天井など、柔らかい素材で設えた空間に展示された美術作品は、鋳物や吹きガラスなど日本の工芸を取り入れて作られたもので、家具に仕込んだ照明で一つ一つ丁寧にライトアップしています。

ランドスケープ設計主旨

建物の外装や内装デザインとともにランドスケープにおいても「Japanese Modern」をコンセプトに、クロチク、イロハモミジ、ヤマボウシ、トクサ、タマリュウなど和を感じることのできる植栽を採用しています。
また、要所に花や紅葉の美しい樹種を織り交ぜ、四季折々の変化も楽しむことのできる空間をデザインしています。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 教誓勉、清流忠邦、浅野剛史、阿部里歩
構造設計 服部敦志、阪井由尚、山崎章子
設備設計 川崎賢哉、吉田典彦
電気設計 川崎賢哉、中井信雄、十倉智弘
インテリアデザイン 鈴木健司
ランドスケープ 山下剛史、林秀一郎
音環境 野島僚子