WORKS 2020

ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

ANA INTERCONTINENTAL ISHIGAKI RESORT

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    石垣島のミントブルーの海に呼応するガラスモザイクタイルのサンセットプール

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    メインガーデン夜景、プールを渡る橋~カスケード~壁面アートの軸線

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    カスケード~橋~ファイヤーボウルの軸線。パームツリー、カバナ、彫刻が空間にリズム感を与えるメインガーデン

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    ガーデンから海へのダイナミックな景色が広がるメインエントランス

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    珊瑚と南国の花のイメージがちりばめられた開放的なロビー

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    浮遊するペンダントや床レベルの変化でアクティブ感を演出
    シグネチャーレストラン・フィッシュ&ミート ビストロ「SALTIDA」

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    ハイクラスなゲストを迎えるためのリュクスな空間
    クラブインターコンチネンタル クラブラウンジ

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    ファンクションに合わせてデザインに変化をつけた複合スペース
    「PALETTE Terrace Lounge」

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    石垣島らしい色彩や素材感とモダンなアクセントによる洗練されたデザイン
    クラブインターコンチネンタルルーム

  • ANAインターコンチネンタル石垣リゾート

    解放感あるプランで、海のビューを取り込む客室バスルーム

用途
リゾートホテル
所在地
沖縄県石垣市
延床面積
(新築部分のみ)22,071.06m2、(全体)56,521.08m2
階数
地上8階

建築設計コンセプト

本計画は、石垣島リゾートエリアにおいて人気の高い「ANAインターコンチネンタル石垣リゾートのアネックス」として新設された3棟203室のワールドクラスのラグジュアリーリゾートホテルです。既存館とは対照的に階数を7~8階に抑え、それにより水平方向に延びた建物を3棟に分割することにより建物間からの空の抜けも確保することで、建物の圧迫感を軽減させリゾートホテルらしい佇まいを目指しました。
メインガーデンを囲む2棟には客室のほかサービス機能としてシグネチャーレストラン・フィッシュ&ミート ビストロ「SALTIDA」と、デリ&カフェ、ショップ、コンシェルジュサービスの複合スペース「PALETTE Terrace Lounge」が設置されています。
さらなる1棟のクラブインターコンチネンタルはインターコンチネンタルホテルズ&リゾーツブランドが誇る、くつろぎに満ちた贅沢な時間を提供するクラブインターコンチネンタルルームとプライベートプールを備えたクラブインターコンチネンタル クラブラウンジを有し、世界各国からのハイクラスな宿泊客を迎えるためのプライベート感を重視したリュクスな空間としました。

ランドスケープコンセプト

ゲストの記憶に残る第一印象として特に重要なのは、到着時におけるランドスケープシークエンスです。アプローチに入ると緑壁に囲まれ、緩やかに外界から遮断され非日常空間へと期待感を高め、その先のポーチでは開けた視界の先に有機的アートが水鏡に浮かびます。
エントランスロビーに到着すると、石垣島の自然のイメージを凝縮したオブジェがゲストを出迎え、目の前にはメインガーデンから海へのダイナミックな景色が広がります。このシークエンスのクライマックスとなるメインガーデンでは、カスケードからメインプールブリッジ、炎の揺らめくファイヤーボールの連続がビューの軸をつくり、雲のように広がるヤシの葉、その雲間から臨むミントブルーの海と呼応する鮮やかなガラスモザイクのプールのきらめき、生き生きとした彫刻、そして白いカバナのシェードでくつろぐゲストの姿が優雅なリゾートの風景を展開しています。

インテリアコンセプト

インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツのブランドクオリティと石垣島の伝統美や豊かな自然を融合させ、ゲストが特別な時間を過ごすラグジュアリーリゾートをデザインしました。
白を基調にしてチーク材や琉球石灰岩など天然素材を使った空間に、海や石垣島の文化を感じさせるエレメントを配置し、開放された窓に海と空、豊かな緑の風景を切り取って見せることで、島の隠れ家の自然美を表現しました。また石垣島の固有性を取り入れつつインターナショナルで洗練されたデザインに徹し、タイムレスで上質な空間の創出を目指しました。
光が溢れるエントランスロビーでは、琉球石灰岩の壁が空間に陰影をつくり、珊瑚をモチーフとしたペンダントライトや南国の花を思わせるカラフルで素材感のあるFF&Eとアートでエレガントなリゾート感を演出しました。
メインガーデンに隣接する「SALTIDA」では、LAND(大地)とSEA(海)というテーマをもつ二つのオープンキッチンを核に屋内外が連続しフロアレベルの異なる変化に富んだ座席配置とし、浮遊するペンダントライトやトーチの炎でアクティブ感をもたせました。
複数の機能が集約した「PALETTE Terrace Lounge」では、一体感をもちながら連続的に変化をつけたデザインでスペース感を構成し、ゲストの気持ちにグラデーションをもたせています。
ゲストルームは間仕切りを最小限とした平面計画により室内のあらゆる部分に石垣島の風景を取り入れました。スタンダードなベイルームは珊瑚礁の鮮やかな色彩で遊び心を表現し、クラブインターコンチネンタルルームは珊瑚の素材感に革やメタルのモダンなアクセントを加えて、より洗練された優美なデザインとしました。

構造設計コンセプト

基礎は強固な琉球石灰岩を支持層とする直接基礎を採用しています。
海沿いの準塩害地域に建設されるため塩害から建物を護り長寿命化させるために鉄筋のかぶり厚さを厚く設定しました。
客室棟3棟の上部構造は、将来客室がフレキシブルに変更が可能になるように靭性に富んだ純ラーメン構造を採用しています。
また、建設物資の輸送や労働力の確保が困難な離島における工事であるために、フェローデッキを採用し、鉄筋の接合にも機械式継ぎ手を選択できるようにするなど、合理的な施工が可能になるように設計時から配慮しました。

設備設計コンセプト

離島に立つリゾートホテルとして、快適性、安全性、省エネを配慮した設備計画としました。
電力の供給は台風時の停電によるホテル運営への影響を極力回避するため、電力会社発電所より地中引込による特高受変電設備を新棟内に設置し、新棟及び既存棟へ供給する計画としました。また、ランニングコスト低減の為、既存のコジェネ発電機設備とも接続を行いました。照明計画は演色性の高いLED照明器具を採用しインテリアデザインに合わせた計画としました。レストランやロビーは調光設備を設けて様々なシーンに対応した多彩な照明演出を可能としました。
客室には人感センサーとドアスイッチによる省エネ管理システムを設置し、ゲスト不在時は照明消灯及び空調セットバック運転を可能としました。またバルコニー側サッシュにリミットスイッチを設置し、サッシュ開放時は空調を送風運転とする制御として省エネを図ると共に結露防止に配慮しました。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
インテリアデザイン GADesign、株式会社bluespot(PALETTE)
ランドスケープ基本設計 Belt Collins
大成建設担当者
建築設計 安田孝、梅本哲也、中塚基子
構造設計 服部敦志、中尾文彦、藻川哲平、池野明里
設備設計 久保田祥彰、伊藤肇、宮本敬介
電気設計 久保田祥彰、西村英樹
ランドスケープ 山下剛史、藤澤亜子
インテリアデザイン 大野博文、塚原香、大澤恵理子

SEARCH