WORKS 2020

大成建設技術センター オープンミーティングスペース

TAISEI Corporation Technical Center Open Meeting Space

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    大地の様に起伏する床と大屋根で構成したランドスケープの様な空間

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    木漏れ日の様にランダムに光が落ちる半屋外テラス

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    超軽量素材で構成された大空間

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    ライトアップにより浮び上るCFRP梁

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    テラス空間を壊さない透明ポリカドーム

  • 大成建設技術センター オープンミーティングスペース

    豊かな半屋外空間で内外の連続性を作り出す

用途
研究所・オフィス
所在地
神奈川県横浜市
延床面積
1,186.33m2
階数
地上1階

建築設計趣旨

空間・人・自然をつなげるバイオフィリックデザイン

技術センターでは、オープンミーティングスペースの他、それに連続するカフェ、エントランス、会議室にまで自然形態(バイオフィリックデザイン)を用いてデザインしています。オープンミーティングスペースは、バイオフィリックデザインにより内と外・人と自然・人と人とをつなぐ、イノベーションを起こす建築を目指しました。床は大地の様に起伏し、ランドスケープの様な大空間を作り出します。大屋根はランダムに配置された2種類のガラス(透明・フロスト仕上)により、圧迫感を軽減させテラスに木漏れ日の様な光を落とします。木質素材で囲まれた空間は木々の中にいるような心地良い空間を作り出しています。フレキシブルをコンセプトとするポリカドームは、Rhinoceros+grasshopperを用いて多様な形状に対応できるよう検討を行っています。このように各所にバイオフィリックデザインを用いた空間をあいまいにつなぐことで空間の連続性を強化しています。自然を身近に感じるバイオフィリックデザインを積極的に取り入れることで、社員がウェルネスを感じ、集中力の向上、創造力の向上、ストレス低減し、更には人と人のコミュニケーションの場となることを期待します。

構造設計趣旨

軽い建築

オープンミーティングスペースは、リサイクル可能な炭素繊維梁「T-CFRP Beam(FR)」(鉄の1/5の重量)、軽量なアルミ柱(鉄の1/3の重量)、家具は一人でも施工可能なポリカドーム(1.5㎏/枚)で構成した「軽い建築」で、利用者のふるまいや季節に応じて自由に変様可能です。軽い建築は輸送時のCo2排出量を軽減させることかが可能となり、カーボンニュートラル実現を可能にします。炭素繊維梁(CFRP:炭素繊維強化プラスチック)を採用することで、軽量でありながら、一般的な構造部材と同等以上の強度を有する材料なため、フレキシブルな大空間の実現が可能となります。CFRPは180度で軟化するため、雨がかり部とそうでない部分の2種類の木のカバーを実験的に採用しました。雨かかりになる部分はアクアカバー(吸熱ジェルパック)の気化熱を利用しカバー内部の温度上昇を抑えるような構造とました。一方雨がかりにならない部分は難燃LVLのカバーのみで耐熱効果が得られるよう、材の厚みを35㎜としています。更には、CFRP梁やアルミ柱は、ドローンやロボットを使用した無人化施工が可能です。建設業就業者減少を補い、省力化・無人化施工を可能にする建築を目指しました。

設備設計趣旨

半屋外空間であるテラスはガラスの扉の開閉を調整することができ、中間期・夏季では卓越風を効率的に取り入れ、冬季では卓越風を遮蔽することで温度調節を行い、常に快適な空間となるように計画されています。夏季のイベント時には送風機(アウタータワー)を使用することで、真夏の暑さにも対応することができます。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 高島謙一、土井健史、傅寶知晃、木村みどり、江森健人
構造設計 服部敦志、阪井由尚、藻川哲平
設備設計 小野田修二、吉田典彦
電気設計 小野田修二、坂下泰士

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