WORKS 2023

安田学園 白島キャンパス

YASUDA GAKUEN HAKUSHIMA CAMPUS

  • 外観

    外観:透かしレンガが高く伸びる講堂に向かって水盤が誘導し、各校舎の入口はクロスヴォールトの回廊が出迎える

  • 外観俯瞰

    外観俯瞰:敷地周辺の街並みと融和させることと日射遮蔽による省エネ効果を考え、町屋に見られる繊細な縦格子の外装

  • 中高校舎ピロティ

    中高校舎ピロティ:アーチとクロスヴォールトが連続するアプローチは生徒の主動線

  • 中高校舎2階メディアセンター

    中高校舎2階メディアセンター:生徒が行き交う3層吹抜けと大階段

  • 中高校舎中庭

    中高校舎中庭:中庭に面したフルハイトサッシは生徒の賑わいを創出

  • 小学校舎DEN

    小学校舎DEN:本棚に囲われた空間は落ち着いて読書ができる「いばしょ」

  • 小学校舎オープンスペース

    小学校舎オープンスペース:小上りの畳スペースは読書やおしゃべりなど児童の憩いの場

  • 小学校舎屋上テラス

    小学校舎屋上テラス:T-WOOD BRACEで支える大屋根の下は児童の遊びや学習の場

  • 講堂エントランスホール

    講堂エントランスホール:浮遊感のある2対の大階段と左官アートが印象的な吹抜空間

  • 講堂客席

    講堂客席:1450人収容の客席は生徒の発表や部活動など様々なシーンで利用

  • 外観(夜景)

    外観(夜景):透かしレンガと間接照明が特徴的な講堂のファサードが水面に映りこむ

用途
中高校舎、小学校舎、講堂
所在地
広島県広島市中区
<中高校舎>
延床面積
19,355.48m2
階数
地上6階
<小学校舎>
延床面積
9,142.92m2
階数
地上5階
<講堂>
延床面積
6,051.44m2
階数
地上4階、塔屋2階

建築設計コンセプト

新しいキャンパス景観の形成

70年を迎えたキャンパスの全面建替計画です。6年半に及ぶ、仮設校舎を造らない、キャンパス内で完結したローリングにより、子供たちの学び舎での時間を大切にしながら、学園訓である「柔く剛く」を体現する校舎を創出しました。

自由な学びの場を内包するキャンパス

この学校でしか得られない体験を生み、個性を育む教育の場をつくります。授業を受ける教室はもとより、教室の枠を超えた空間に多様な「いばしょ」を設けました。そこでは生徒・児童が自発的に行動し、新たな発見や出会いを創出します。
正門を入ると透かしレンガが高く伸びる講堂に向かって水盤が誘導し、各校舎の入口はクロスヴォールトの回廊が出迎えます。屋内は複数の吹抜けで立体的に繋がれ、その歩行空間の中に多様なコモンスペースを配置しました。
日常の移動空間に「いばしょ」を設け、講堂や食堂・メディアセンターなどの共用空間を印象強くしつらえることで、ここで過ごした時間は子供たちの心にいつまでも残り続けます。

いつまでも記憶に残る空間体験と生徒の「いばしょ」を生む中学高等学校校舎

100年以上の歴史を誇る女子校らしい落着きのある外観に対し、室内は生徒の活動が一目でわかる開放的で明るい木質空間が広がります。校舎の中を貫く吹抜から、共用空間が展開します。いつでも自由に使えるラーニングコモンズを中心に、教室の中だけでない、生徒の「いばしょ」を校舎の随所に設けました。いつまでも生徒の記憶に残る校舎を実現するために、授業の外で生徒が過ごす大小様々な共用空間と、毎日利用する移動のための廊下や階段、ポーチを印象付けるデザインを行いました。

児童の能動的な空間活用と、心身の成長を促す小学校校舎

多様な吹抜を介し、連続する空間の中に様々な児童の「いばしょ」を設けた校舎です。随所に腰かけられるスペースを設け、同時に図書を配置しました。共用部全体をメディアセンターのように使いながら、友達や先生と過ごし、情報にも触れることができます。内装やサイン計画には小学生が少し背伸びをするような大人しいデザインを取り入れ、本物に拘った内外装の素材に触れ、児童の成長を促しています。

キャンパスの中心となる1450人規模の講堂

キャンパスの正門の正面に位置する講堂は、中心施設として、水盤のアプローチと連続する透かしレンガが来訪者を出迎えます。2対の大階段や左官のアートにより印象付けられたエントランスホール吹抜に導かれ、食堂や講堂へアクセスします。
2層構成となる1450人収容の講堂は、式典やイベントなど様々に利用でき、格式の高い意匠の空間性とともに、生徒・児童の記憶に残ります。

構造設計コンセプト

キャンパス全体で統一された煉瓦調外観の形成

白島キャンパスでは、煉瓦調を基調とした重厚感のある外観意匠を実現するため、建物ごとの構造特性に応じて構造計画と外観を一体的に検討しました。強度型建物では変形を抑えて構造スリットを不要とし、靭性型建物ではスリットを目立たせない納まりとすることで、キャンパス全体で統一感のある景観を形成しています。

仮設校舎を用いないローリング計画の実現(中学高等学校校舎)

中高校舎では、新校舎の完成前に旧校舎を取り壊す必要があり、施工途中の段階で校舎を仮使用することを前提に、仮使用以降の各施工段階においても構造体に必要な耐震性能を確保できるよう構造計画を行いました。これにより、構造安全性に十分配慮しながら、仮設校舎を用いない合理的なローリング計画を実現しています。

プレストレスを活用した開放的な空間構成(小学校校舎)

小学校校舎では、エントランスから連続する大階段周りの吹抜空間に、プレストレストコンクリート梁を用いたダイナミックな架構を採用しました。プレストレスの導入により、大スパン架構におけるたわみやひび割れを抑制しながら、視線を遮らない開放的で一体感のある内部空間を実現しています。

格子梁形式による大空間の実現(講堂)

ロングスパン架構となる講堂屋根には、2方向のトラス梁を組み合わせた格子梁形式を採用しました。講堂周囲に配置した厚肉の耐震壁が地震時水平力の大部分を負担するとともに、格子梁形式の屋根架構により荷重を二方向に分散する合理的な構造システムとすることで、45m×24mの無柱大空間を実現しています。
講堂エントランスホールには、アンボンドスラブによる片持ち形式を採用することで中壁を廃した「浮遊感のある階段」を計画しました。プレストレスを導入することでひび割れを抑制し、開放感のある吹抜空間を印象付ける象徴的な階段としています。

設備設計コンセプト

豊かな環境を実現させる設備計画

キャンパス全体のリニューアルに伴う建物容積の増に対して、電力や水などのインフラ制約がある中で井水ろ過や電気・ガスのエネルギーミックスにより、美しい水景や1450人規模の講堂、吹抜空間を内包した空調空間などの豊かな環境を実現しました。
庇と一体化されたガラリ、講堂のホールでは制気口をデザインと融合させ、屋上設置機器の最大高さは並走するアストラムラインからの眺望に影響しないように外壁ライン以下に揃えています。
また、安田学園様、慶應義塾大学様と共同で研究を行い、幼稚園の児童と小学校~高校生の生徒の協力も得ながら、建替に伴う教室環境等の変化が知的生産性に与える影響の調査を実施。環境を構築する要素が人に与える影響の見える化を行いました。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
基本設計 株式会社石本建築事務所
サインデザイン エモーショナルスペースデザイン
大成建設担当者
建築設計 輿石秀人、矢崎裕信、高橋遼、坂村一誠、平原佳寿子、滝村菜香、馬屋原嘉乃
構造設計 渡辺征晃、武谷政國、赤木光志、森田有貴、岩崎桃子、隈部敦史
設備設計 福田浩、村田義郎、根本昌徳、清水賢、大津由紀子、八嶋一志
電気設計 福田浩、村田義郎、根本昌徳、土屋暁子、岡本隆
ランドスケープ 山下剛史、藤澤亜子
音響 買手正浩、野島僚子

社外受賞

2025年 第59回 日本サインデザイン賞 銅賞 中国地区賞
2025年 照明施設賞
2024年 第9回 インテリアプランニングアワード 入選

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