WORKS 2024

東芝総合研究所 新警備棟

Toshiba R&D Center New Guard Station

  • 北側外観

    北側外観:通用門から警備棟を見る

  • 西側外観

    西側外観:回廊状に配した繊細な列柱とガラススクリーンが化粧打ち放しコンクリートのボリュームと周辺環境を調停する

  • 西側外観(夜景)

    西側外観(夜景):照明を受けたボリュームが広い敷地の中で通用門を顕在化させる

  • 入構ゲート(通用門側より)

    入構ゲート(通用門側より):新研究棟へ連続する屋根と床仕上げによる構成

  • 入構ゲート(内側より)

    入構ゲート(内側より):将来フラッパーゲートを設けることを想定されたセキュリティ通路

  • 柱・梁・スクリーン

    柱・梁・スクリーン取り合いディテール

  • ガラススクリーン(夕景)

    ガラススクリーン(夕景):既存建物や周辺環境が映り込むスクリーン

  • 守衛室

    守衛室:高い視認性のコーナー水平連窓

用途
守衛所
所在地
神奈川県川崎市幸区
延床面積
117m2
階数
地上1階

建築設計コンセプト

通用門の新たな構え

東芝総合研究所の通用門に付属する守衛所の建て替え計画です。
本計画は研究所のローリングによる建替え計画の一部を担い、正門側には新研究棟の前に約4,000m2の庭とそれに沿うように100m程度の屋根付き通路が整備されます(2期工事)。通用門側にもその屋根が延長され、敷地全体で変わっていくことを意図しました。そのため守衛所が屋根に従属するような建築としました。
通用門側も公共交通の便が良いため、従業員の過半数の出入りを受け入れています。将来は社外来場者も受け入れることを視野に入れ、また無人化とすることも想定した新しい研究所の構えが求められました。
現在は仮眠室など求められた機能がありますが、将来は別の機能に転用されることも想定されたため、壁式架構のRC造として柱型・梁型の出ないフレキシビリティの高いプレーンなボックスとしました。

軽快なゲート性を高めるディテール

来場者の入退場チェックの際の風雨を抑えるためのガラススクリーン。ゲートを構成する屋根・柱・梁・ガラスのみが現れます。屋根を支持するφ89.1の柱は頂部を梁と溶接接合したφ60に絞り、梁接合部はフランジにボルトが出ないよう、ウェブのみのボルト接合としました。これにより梁ジョイント部までスクリーン上枠を直接梁へ取り付けることを可能にし、さらにガラス両端を跳ね出すことで、来場者を向かい入れる軽やかさを獲得するための透明性と物質性を高めました。

実のマテリアル

既存研究所の無機質なものと同調しながら、隣接する多摩川に広がる情景と連続し、時間と共にエイジングする素材を選定しました。研究所という物事の本質を突き詰める場所に、表層の化粧ではなく、内実がそのまま現れ、人々の場所の記憶の端緒となる素材が必要だと考えました。

構造設計コンセプト

堅牢さと軽快さの統合

壁式架構のRC造とし、壁厚と同幅の柱・梁とすることで柱型・梁型を出さないフレキシビリティの高いボックス状の構造としました。
壁厚および壁筋比を確保することで、誘発目地のない壁としました。
ゲートを構成する屋根は、水平ブレースで地震力を守衛所の構造体へ伝える計画とし、細柱と薄い梁による鉄骨架構としました。

担当

設計 大成建設株式会社一級建築士事務所・株式会社東芝一級建築士設計事務所
大成建設担当者
建築設計 小林浩、﨏真介、坪沼一希、姉崎匠、岡崎啓祐(基本設計)
構造設計 武谷政國、矢島龍人、大瀧浩人

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