- 用途
- 事務所
- 所在地
- 東京都目黒区
- 延床面積
- 40,526.75m2
- 階数
- 地下1階、地上11階、塔屋2階
建築設計コンセプト
shade / shadow ──多様な光の輪郭を纏う建築
銀行の基幹システム等を支えるIT人材が働く事務所計画です。新旧が共存する下町的な雰囲気のある敷地周辺では、昔ながらの趣のある寺社や船着場を残しつつ、駅周りに広がる再開発により街並みに賑わいを見せています。
本建物は、歴史ある金融機関の知見を活かし、IT事業の最新技術によって新たな付加価値を生み出す拠点として期待されました。こうした変革の意識を受け継ぐため、「古き良き日本建築の感性を尊重し、現代的な建築技法でアップデートしていく」という、場所性にも呼応する設計手法がふさわしいと考えました。
日本の美意識の核に「陰影」があります。日本建築では、陰影を生成するための構法と意匠が培われてきました。本計画でも、陰影による深みを外装・内装に生み出す工夫を施し、光と影の輪郭を繊細に調整することで、自然の揺らぎを感じさせワーカーの気分を高めていく建築を目指しました。
陰影が生む多様な深みが様々な過ごし方を受け止め、前向きな気持ちに切り替える環境をかたちづくります。そこで人々が心を通わせ合い、新たな発想や挑戦を育む場となることを期待しています。
構造設計コンセプト
本建物は、災害時における拠点施設としての利用を想定しており、一般建築物に比べて高い耐震性能が求められました。このため構造計画においては重要度係数1.25倍以上の余裕度を確保し、地震時における安全性および機能継続性に配慮した設計としています。
上部架構形式はラーメン架構(一部アンボンドブレース)、高層棟にはCFT柱を採用することで耐震性を向上させています。付加制振としてコア部分に配置したT-Fダンパー(摩擦ダンパー)は地震エネルギーを効率よく吸収し、建物全体の応答低減および損傷抑制に寄与しています。高層部と低層部が接している偏心しやすい形状に対し、Exp.Jで分離せず両者一体の構造とすることで、建築計画と設備計画に配慮しています。
窓際では□450のCFT柱を1,800㎜間隔で2本1組としたダブルコラム形式を採用し、ペリメーターゾーンの有効活用に貢献しています。高層部直下で剛心と重心が離れやすい中間階においては、ダブルコラム間に中間梁を設けることで剛性を高め、建物全体の偏心を抑制し構造的安全性を向上させています。
設備設計コンセプト
本建物では、災害発生時においても事業継続が可能となるよう対策を施しています。停電リスクに対しては、22kV特別高圧本線・予備線の2回線受電とし、各負荷へ2回線送電しています。また、非常用発電機はデュアルフューエル方式3台(1台予備)とし、故障や保守にも対応できる計画としました。備蓄燃料により7日間主要諸室が利用でき、中圧ガスが利用できる場合には、さらなる業務継続も可能です。上下水道途絶リスクに対しては、上水、雑用水、緊急排水槽について、備蓄を含め7日分確保しています。
柔軟性の高いオフィスを実現するため、パッケージエアコンを中心としながら、上質な空気質を実現する中央熱源方式の外調機を組み合わせた空調システムを採用し、CO2制御などによる最適制御を行っています。照明には人検知センサによる調光制御を採用しました。これらの取り組みによりBELS・ZEB Ready認証を取得しました。また、省エネに加え、外構や屋上の積極的な緑化などによりCASBEE Sランクの認証を取得し、持続可能な社会に貢献しています。
担当
| 設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
|---|---|
| 大成建設担当者 | |
| 建築設計 | 伊勢季彦、⼤塚隆光、中川涼、寺⽥遼太郎 |
| 構造設計 | 有⼭伸之、⼩野森司、永久美優、佐藤和紀 |
| 設備設計 | 梶⼭隆史、平井宏幸、⼤藪真裕 |
| 電気設計 | 梶山隆史、小林徹也 |
| 法規 | 藤原稔 |