当社共同設計・当社施工作品の「荏原 畠山美術館」が日本空間デザイン賞2025文化交流空間部門銀賞を受賞しました。
日本空間デザイン賞は、空間デザインの価値を未来へ繋ぐために設立された日本最大級のデザインアワードです。
デザインに情熱をかける多種多様な人々が集い、相互に切磋琢磨できる場と機会をつくることを主軸とし、新しいデザイン価値や国内外の優れた人材の発掘を実現し、次世代の指標となる創造的なプラットフォームを構築することを目的としています。
時代性、創造性、社会性、文化性、意匠性、革新性、持続可能性等の観点から優れた作品を選出しています。
応募対象作品は全12カテゴリーに分かれ、文化交流空間は美術館や博物館等が該当します。
日本空間デザイン賞:https://kukan.design/
荏原 畠山美術館
		茶の湯文化を軸に 美の体験を拡張し 未来へと繋ぐ美術館
1964年に実業家・畠山一清(即翁)が創設した、茶道具を中心に国宝6件、重要文化財33件を含む約1300件を所蔵する私立美術館のリニューアル計画です。開館60年を迎える2024年10月にリニューアルオープンしました。
一清が願った「即翁衆と愛玩す」・・・茶の湯にまつわるコレクションを多くの人と共に楽しむ伝統を受け継ぎ、未来への革新を試みました。かつて即翁がつくりあげた、茶室•茶庭を設えた唯一無二の既存本館をより磨き上げ、新たな美の体験や交流を提供する新館を増築しました。日本庭園に点在する文化財の茶室と共に、庭屋一如(庭と建物が一つのごとく、融合している様子)で多様な美の世界のニーズに応えていく美術館に生まれ変わりました。
公開承認施設を目指した新館展示室
国宝や重要文化財を所有していることから、今後、他美術館との連携を促進し、体験の幅を広げる公開承認施設基準の機能を整備するために、耐震•防火性能確保、温度湿度管理、セキュリティ対策等所蔵品保存・保全を充実、公開承認施設基準の空気環境を整備しました。
新館は収蔵庫を2か所新設、免震機能付きの壁面展示ケースは、高透過低反射ガラス製、展示室中央の黒漆喰壁の意匠は、展示ケースへの映り込みを防ぐ効果も兼ねています。
「即翁與衆愛玩」の伝統を磨き上げる本館
本館は、畠山一清が自ら設計としたと語る通り、即翁の茶の湯文化への想いとつくりあげる楽しみが込められています。特に2階は、書院風の端正な意匠の中に茶室と庇を配した茶室で茶道具を愛でるような空気感を湛えた展示室で、柱や長押など既存の木部には、現在手に入れることが難しい最高級品が使われていました。当初は内断熱化により全て新規材でやり直す計画でしたが、外断熱化、部材の再利用を提案し、これまでの空気感の継承、さらなる洗練をはかりました。
設備、展示装置、耐震性、断熱性などいずれの性能も向上させ、美術館としての機能性の向上、長寿命化を実現しました。
建物概要
- 建築主
 - 公益財団法人 荏原 畠山記念文化財団
 - 所在地
 - 東京都港区白金台2-20-12
 - 用途
 - 美術館
 - 構造
 - 鉄筋コンクリート造
 - 階数
 - 地下1階、地上3階、塔屋1階
 - 敷地面積
 - 4,906.45m2
 - 建築面積
 - 1,050.86m2
 - 延床面積
 - 2,935.49m2
 
- 工期
 - 2020年11月 ~ 2024年03月
 - 基本設計
 - 株式会社新素材研究所
 - 実施設計
 - 大成建設株式会社一級建築士事務所
 - 施工
 - 大成建設株式会社東京支店
 
大成建設担当者
- 
				
				- 電気設計 濃添ゆうな、ランドスケープ 林秀一郎、設備設計 山本健太郎、建築設計 横山恭太
 - ランドスケープ 山下剛史、建築設計 有泉祐子、建築設計 中谷扶美子、構造設計 川岡千里、建築設計 杉江夏呼、建築設計 渡邉智介
 
 
	
	
	
	
	

