NEWS 2025.11

中野製薬製造　草津工場

概要

新たな頭髪化粧品および医療部外品製造工場を滋賀県草津市に有する現工場の隣地へ建設し機能移転するプロジェクトです。
「美」、それは人々の生活に歓びと輝きを与えてくれるもの、そして施主である中野製薬製造株式会社が創業以来長きに渡り追い求めてきたものです。
私たちの使命、それはさらなる「美」の創造と世界の人々の暮らしに貢献することと考えました。脈々と受け継がれてきたこの想いを、更に進化させていくために、地域ブランディングに貢献し、自然環境と共生する新たな拠点を創造しました。

デザインのポイント

BEAUTY × SMART　無駄がなくシンプル。高効率・高品質な生産が実現する先進的な新工場
BEAUTY × SUSTAINABLE　水と共に生きる。自然環境と共生するサスティナブルな新工場
BEAUTY × WELLNESS　こころと身体を健康に。従業員が誇りに感じられる人にやさしい新工場

背景

「水」は生命の源であり、「美」の創造に欠かすことの出来ない大切な資源です。
琵琶湖を望む豊かな水に育まれた大地の風景に相応しい佇まいを探り、地域に親しまれ環境と呼応する、人々の心を揺さぶる情景をつくることを目指しました。
施主のコーポレートメッセージである「日々 美を ともに」を具現化する建築を求めました。
「環境と人にやさしく、工場らしくない工場をつくりたい」という想いを元に、省エネルギー性能の高い機器への更新やオペレーションの最適化などを通じて、エネルギー利用の効率化に取り組み、排水の循環利用や工程洗浄水の削減施策を通じて、2030年度までに排水量を50%削減するという目標を掲げ、24時間稼働可能な自動化設備の導入により整え省人化を図り、高品質な生産を実現する環境づくりを目指しました。

経緯とその成果

琵琶湖周辺で長く愛用されてきた葦簀（よしず）をモチーフに、強い陽射しを遮断しながら心地よく風を通す機能を持たせた「美」を象徴する環境装置「YOSHIZU SKIN」が木漏れ日空間を創出しています。
既存工場で離散した機能を集約し、高効率で従業員負荷を低減する自動化設備を導入した生産空間を構築しました。
ヒト・モノ動線を明快に分離し、生産プロセスがワンフロアで完結するシンプルで無駄のないプランニングとし、ISO22716（化粧品GMP）を取得しました。
展示機能を持つウエルカムラウンジや、従業員の憩いの空間となるリフレッシュダイニング、生産効率を高める働き方OCW（オープン・コミュニケーション・ワーキング）の導入により従業員が誇りに感じられる人にやさしい環境づくりと、水の使用量を抑えるエコシステムや排水処理技術により水質汚濁を防止、排水量削減、処理に要するエネルギーの削減の取り組みにより、頭髪化粧品業界初※のCASBEE「Sランク」を取得しました。
※中野製薬株式会社調べ

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葦簀（よしず）をモチーフにした「YOSHIZU SKIN」は、強い陽射しを遮断しながら風を通し、心地のいい木漏れ日空間を創出しつつ、環境装置として機能し、建物全体として30％のエネルギー消費量の削減を実現しました。