当社共同設計・当社共同施工作品の「新札幌アクティブリンク」が第35回AACA賞奨励賞を受賞しました。
(共同受賞者:株式会社ネイ&パートナーズジャパン、株式会社安東陽子デザイン)
一般社団法人日本建築美術工芸協会(AACA)が主催するAACA賞は、当協会の設立理念と目的に叶い、建築、美術、工芸、ランドスケープなど様々な 分野が協力し、融合して創造された文化的環境と美しい芸術的景観を対象として、これらを実現させた個人、グループ、団体を毎年表彰する賞です。
一般社団法人日本建築美術工芸協会(AACA):http://www.aacajp.com/
選評:https://www.aacajp.com/award/2025/08.html
新札幌アクティブリンク
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街区の複数建物を円環状につなぐ
楕円のかたちに導かれた構造体がまちのシンボルとなる
「新札幌アクティブリンク」は、副都心・新札幌の新たな街区開発において、複数の建築をつなぐように全体をぐるりと曲線で繋いだ楕円状の道路上空通路です。歩く楽しさや歓びが感じられ、景色を眺めながら回遊し各建物にアクセスできる多雪地域の歩行者ネットワークの要となる地区施設であり、街区全体の共用物/コモンズとして構想されました。
内側に倒れ込みそうなコ字型の断面となっていますが、倒れこむように働く力を楕円状につなげることで全体のバランスが取られ、構造的な合理性を持って軽やかに建つことができます。柱は外周部に12本あり、上部構造と橋脚は剛接であるため冗長性が高く、柱が1本損傷しても崩壊しない構造計画となっています。
楕円のかたちによって導かれたアクティブリンクは、街区の建築をつなぎ、強いシンボル性を備えた新しいまちの中心となります。
構造=意匠がもたらす、維持管理・施設運用と一体なった建築デザイン
7つの建物から往来する人々が街区を一望できるよう、アクティブリンク内側は上下二辺支持サッシレスのガラスとしました。構造体が外周部の窓枠を兼ねる構成とし、剪断力の大きくなる柱直上の開口幅は小さく、柱間の中央は開口幅が大きくなる漸次的に変化するフィーレンデールトラスとしました。揺れ動く開口幅に応じて、通風窓や給排気ガラリを配置しました。
構造=意匠で二次部材、仕上げがない構成で、道路上への落下リスクがなく、目視点検も容易です。この特徴を活かし、主構造・鉄部の仕上げは長寿命な橋梁系塗装とし塗替えサイクルを延ばし、動きの多い2辺支持ガラスのシール修繕費に充てる長期修繕計画としました。屋根は溶接構造で止水性に優れるため無防水で、外表面はビード仕上げで突起が少なく、塗り替えし易いよう配慮しました。
デジタルと北海道の鉄鋼技術をもつ職人の手が混ざり合った現代の工芸的表現
楕円状の曲率は平面では対称ですが、接続建物レベルおよび道路勾配を考慮し、全体を1.45%傾けた面として定義しました。この複雑な形状を実現するため、まず形のルールを決めてコーディングに落とし込み、コンピューターに演算させて形を設計していき、あわせて二次元の図面(幾何形状図)を作成しました。この幾何形状図をもとに、製作のためのマスターモデルを人の手で完全に再現しました。鉄板の切断図(ネスティング図)はこの3次元モデルから直接生成され、切断された板を元に、職人の技術とレーザー測量によって、このマスターモデルと対照しながら、アクティブリンクは組み立てられました。設計図との誤差の照合は、1万を超える参照点の座標で行い、調整しました。水平垂直がほとんどない部材同士の接合位置は、すべて3次元座標で管理し、レーザー計測し組み立てました。工場では3ブロックごとに仮組し、現地ではレーザー計測と職人による調整を組み合わせ、ミリ単位の正確な位置に施工しました。施工者、製作工場と共に、現代の技術によって、時間に耐える複雑な形状の建築物を実現しました。
建物概要
- 建築主
- 大和ハウス工業株式会社
- 所在地
- 北海道札幌市厚別区厚別中央
- 用途
- 空中歩廊
- 構造
- 鉄骨造
- 階数
- 地上1階
- 建築面積
- 762.81m2
- 延床面積
- 762.81m2
- 工期
- 2021年7月 ~ 2022年6月
- 設計・監理
- 大成建設株式会社一級建築士事務所、株式会社ネイ&パートナーズジャパン、株式会社ドーコン
- テキスタイル
- 安東陽子デザイン
- サイン
- ダイアグラム
- 施工
- 大成建設株式会社札幌支店
大成建設担当者
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- 建築設計
- 下手彰
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- 建築設計
- 出口亮
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- 構造設計
- 池間典一
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- 設備設計
- 川島尚子
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- 設備設計
- 相馬俊也


