設計って 枠 わくわく × 大成建設って 枠 ?

STEP08 設備設計
プロジェクトエンジニア

八嶋 一志 KAZUSHI YAJIMA(2015年入社)

八嶋 一志
八嶋 一志

Q1. 学生時代から入社までの経緯を教えてください。

OB訪問で素晴らしい先輩と出会い、大成建設へ

学生時代は、ゼネコンに就職して建築に携わりたいという確固たる思いを持っていたわけではありませんでした。大学受験の際に進路を考えたときも、得意だった現代文が受験科目に含まれていたことがきっかけで、建築学科に進みました。入試では理系科目の結果は散々でしたが、現代文が高得点で、かろうじて合格しました。大学の研究室は3年まで意匠系で、4年から環境系に移りました。その研究室でも、建築設備ではなく建材の研究などをメインに行っていました。
就職活動でも、ゼネコンに限らずハウスメーカーや建材メーカーなど、さまざまな企業の説明会に参加していました。いろいろなことに興味はありましたが、生涯をかけて取り組む一つのことを見つけられず、迷っていた日々でした。
そうした中で、大成建設の会社説明会に参加した後、設備設計の先輩から連絡をいただき、OB訪問をすることになりました。その先輩との出会いが、私の人生のターニングポイントです。大成建設本社の打合せスペースで、慣れないスーツ姿の私は緊張しながら、最初は当たり障りのない会話をしていました。そんな中、先輩は私の就活ノートにいろいろな企業名が書かれているのを見て、一言、「君がやりたいことはなに?」と問いかけました。
頭が真っ白になり、どう答えたかはあまり覚えていません。ただ、そこから迷っている思いを正直に伝えたところ、先輩はご自身の仕事のことに加えて、仕事に対する考え方など、さまざまなことを話してくれました。今思えば不躾だった私の質問にもきちんと向き合い、「君の人生に関わることだから」と、誠意をもって答えていただきました。
「ゼネコンで働きたい」というより、「こういう人がいるところで働きたい」と思ったことが、私にとってのスタートでした。

Q.2-1 思い出に残る建築作品について教えてください。

WORKS1

某守秘義務プロジェクト

多くの人に支えられ、社会人としての姿勢を学んだ大規模プロジェクト

入社後、商業施設や教育施設などの設備設計を担当する部署へ配属され、比較的小規模な案件を担当していました。このプロジェクトは、入社3年目から基本計画を開始し、竣工までの4年間ほど携わりました。守秘義務案件のため、概要についてはお話することができませんが、今の自分を作ったプロジェクトだと思っています。

大規模かつ求められる設備仕様の難度も非常に高く、若手の自分にとっては非常に困難な仕事でした。契約図の提出直前には完全にオーバーワークとなり、やるべきことはわかっていながらどうしても手が進まない状況に陥りました。
締切が迫るなか、パートナーである電気設計の先輩が私の机の上に付箋だらけの資料を置いていきました。
「付箋が貼ってあるところだけは、八嶋くんが書かなきゃならないから。頑張ろう。」
そこには、私が書くべき文章もほとんど書かれていて、設備設計として記載すべきところには丁寧に付箋が貼られていました。何も言えない自分にそれ以上何も言わず、ふらふらと去っていく先輩の姿を今でも覚えています。この人のようになろうと今でも目標にしています。

現場に入ってからも苦難の連続でした。そこでもサブコンやメーカーの方々に助けていただきました。苦難の内容は、着工後の変更に起因するものもありましたが、中には私の力不足で生じたことも多くありました。そんなときでも、どの人も未熟な自分を一人の技術者として頼ってくれ、意見を聞いてくれました。
非常に人に恵まれたのだと思います。
ただ竣工するまでの道のりの裏では、その人たちの徹夜も伴うような検討もありました。自分が何気なく描いた一本の線が、誰かを不幸にすることもある。そんな責任の大きさを強く実感しました。
設備設計として難易度の高いプロジェクトでしたが、なによりも社会人としての姿勢を学んだプロジェクトでした。

Q.2-2 思い出に残る建築作品について教えてください

個性を育み、自由な学びの場を内包する美しいキャンパス

広島県にある伝統校、安田学園の幼稚園・小学校・中学高等学校・講堂からなるキャンパスの、6年半をかけた4期に渡る大規模全面建て替えプロジェクトです。1・2期は幼稚園と中学高等学校校舎、3期はローリングをしながら小学校校舎と講堂を建て替え、4期は守衛棟や外構、水景を整備しました。1・2期は同じ室の先輩が担当し、3・4期から私が引き継ぎました。

設計自体は3期からの担当ですが、このプロジェクトでは校舎の建て替えが児童・生徒へ与える心理的影響や運動量の変化について慶應義塾大学と共同研究を行っており、新入社員時代から実測調査などに参加していたので、個人的に強い思い入れがありました。

キャンパス内の建物は、レンガを用いた重厚なファサードやクロスヴォールトの回廊がデザインテーマとなっています。夜間は、透かしレンガと間接照明が特徴的な講堂のファサードが水面に映ります。前理事長様の強い思いを受け、非常に美しいキャンパスが実現しました。その一方で、基本設計・実施設計において設備計画ではかなりの苦労がありました。

もともと基本設計として他社の設計事務所が入っており、コンペでの設備計画は概要書と概念図のみでした。それらを具現化するにつれて、目標条件が実現できないこと、敷地全体のインフラ上限、必要な設備スペースの不足が見えてきました。基本計画の制約の中で、最終的に設備方式の大きな見直しも伴いながら、美しいデザインと設備の快適性の両立を目指しました。

技術的な挑戦もありましたが、それ以上に「よい建築とは何か」を考え続けたプロジェクトでもありました。「美しい建物を作りたい」という要望に対して、時には水を差すような設備提案をしなくてはならないこともありました。建築設計が描く美しいパースは非常にキャッチーですが、環境の快適性は目に見えず、設備機器はデザイン上の制約として捉えられることもあります。けれども、その美しさが成り立つのは「その空間が快適であること」が前提です。
ただ、快適さの感じ方は人によって異なり、誰もが完全に満足する環境をつくることはできません。快適性を、デザインやコスト、メンテナンス性との天秤にかけながら、現場やサブコンの協力を得て、さまざまな調整を重ねていき、美しいキャンパスが完成しました。
慶應義塾大学との共同研究の中で、竣工後の建物環境に関するアンケート調査も行われ、結果は良好でした。ただ、コストやデザインを優先した結果、「快適」との回答がもらえなかった箇所もあります。たとえ少数でも、自分の設計が正しかったのかを今も考えます。

Q.3 設計業務以外の活動について教えてください。

人との繋がりを大切に

全国各地の発注者や同業他社、サブコン、メーカーなど、さまざまな立場の方と積極的に交流するようにしています。

建築の仕事は一人で完結するものではなく、多くの人と協力して初めて成り立つ仕事です。だからこそ、人とのつながりを築くことはとても大切だと考えています。その意味でも、コミュニケーション力は重要な能力の一つだと思います。

また、新人時代に多くの方に助けていただいた経験があるので、現在は後輩の教育や社内勉強会にも積極的に関わっています。自分が先輩方に支えていただいた分、今度は後輩たちに還元していきたいという思いがあります。

設備設計の仕事は技術的な要素が中心の部分もありますが、実際には「カウンセラー」に近い部分もあります。お客様の要望を丁寧に聞き取り、それを建築や設備の形に落とし込んでいく必要があるため、実は文系的な能力もとても重要で、物事を分かりやすく言葉にする力や、相手に伝える力が求められます。

そのため私は、人一倍本を読んだり、日々勉強を続けています。休日に外出していても、常に建築が気になってつい見てしまいます。完全に職業病ですね(笑)

Q4. 働きやすさについて教えてください。

働きやすさだけでは、この仕事は語れない

ここ数年で残業時間は大きく減りました。建設業界全体で働き方改革が進んでおり、働き方はかなり変わったと感じています。プロジェクトの経験で話したような、オーバーワークで走り続けなくてはならない状況も、今では珍しくなりました。

大企業ということで、制度面や環境面で守られている部分も大きく、そういった意味では安心して働ける職場だと思います。ただ一方で、「働きやすいから」という理由だけでこの仕事を選ぶのは少し違うとも思っています。残業時間は減らさなくてはならない一方で、仕事の責任が軽くなったわけではありません。

私たちの世代は、今ほど時間の制約が厳しくなかった分、考えて悩んで苦しみながら技術を身につけることができました。しかし今は、そうした時間を確保しにくくなっています。そのことに危機感を持たなければ、結局あとで苦労するのは自分です。

建築の仕事は、自分が引いた一本の線が多くの人の生活や社会に影響を与える仕事です。だからこそ、「この仕事は何のためにやるのか」「建築を通して誰かの役に立てるのか」を常に考え続けることが大切だと思います。

大成建設には、スーパーゼネコンだからこそ依頼される大規模なプロジェクトや、難度の高いプロジェクトがあります。設備設計の社員数も国内有数で、能力の高い技術者も多く、蓄積されてきた知見があります。強い思いを持って仕事に向き合える人にとっては、とてもやりがいがあり、働きやすく、成長できる職場だと思います。

Q5.あなたにとって大成建設設計本部ってどんな場所ですか?

大成建設ってぴりぴり

時には仕事で緊張してぴりぴりしている時もありますが、それ以上に日々いろんなアンテナを張って情報収集や勉強をしている自分にとって、大成建設はポジティブな意味でぴりぴりと刺激を感じられる場所です。

dé TAISEI DESIGN 大成建設設計本部