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  • コンペに勝ってからの再スタート
  • 1. キックオフミーティング
  • 2. 新しい組織での再スタート
  • 3. 敷地調査
  • 4. チーム内のコンペ
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SCENE_1　コンペに勝ってからの再スタート

3. 敷地調査

最初にとりかかったのは、敷地調査だ。普段の業務では、充分に敷地調査をする時間も無く慌しく計画を進めているのだが、今回は新たな設計条件を提示されたため、設計時間には少し余裕があった。結局、若手メンバー4人で栃木県佐野市へ行く事になった。
現地では、役所、図書館、記念館、などの公共施設を手分けをしてまわり、文化や歴史についても調べてみた。そんな中、ふと学生時代が蘇った。仲のいい同級生とチームを組んだ時でさえ、いざ設計となるとお互いのやりたいことが違ってよく衝突したものだ。しかし、それを乗り越えて出来た作品は、自分の創造をはるかに超えた良いものになっていた。建築の設計というのは、そのプロセスで様々な試行錯誤があり、意見のぶつかり合いがあって初めて、何かそれまでにない新しいものが生まれてくる。
佐野市には、足尾銅山鉱毒事件で市民のために活躍した田中正造の記念館があり、しかもその建物は日本建築学会賞を受賞している建物だった。つまり市民の中には生産施設（工場）に対するマイナスのイメージが根付いているのではないかという不安があった。我々は、そういったマイナスイメージを払拭していける設計ができるのだろうかと。

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