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YOUNG ARCHITECTS & ENGINNERS / STUDENT SQUARE

Advanced structural design

藤山 淳司
1997年入社。本社設計本部に配属され、現在は構造グループ所属のプロジェクト・エンジニア。
日本平デジタル放送所のほかにも数多くの鉄塔プロジェクトに携わる彼の別名は「鉄塔のスペシャリスト」。その一方で、2004年8月にカナダで開催された第13回世界地震工学会議に出席し発表を行うなど、国際派エンジニアとしての顔も併せ持つ。
SCENE_1 新しいタワーの提案
1. 地上波のデジタル化に関わる

最近、東京タワーの形が少し変わったのをご存知でしょうか。
特別展望台の上のほうをよく見るとわかるのですが、以前より少しふっくらした感じになっています。ここ数年メディアにもよく取り上げられている「地上放送のデジタル化」に伴って、新しくアンテナを設置したためです。デジタル化に対応するためには、新しくデジタル放送用のアンテナが必要になります。ところが、2011年まではアナログ放送も並行して行わなければならないため、タワーの空いたスペースにデジタルアンテナを設置するか、そのようなスペースが無い場合には別途タワーを建てる必要がでてきます。東京タワーは前者のケースですが、一般的には後者のケースが多いのが実情です。このようなニーズに対して、我々は今までに無い新しいタイプのタワーの提案を求められることになりました。

現在の東京タワー
現在の東京タワー
東京タワーでは、単にアンテナを設置するだけでなく、地震力や風荷重を再検討したうえで強度が不足している箇所を補強したり、構造体の一部にエネルギー吸収体を設置することで地震力を低減する工夫をしています。このように、東京タワーは耐震補強することによって継続使用を可能としています。