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YOUNG ARCHITECTS & ENGINNERS / STUDENT SQUARE

Advanced structural design

SCENE_2 既存鉄塔の制振化
1. 耐震用TMDシステムの開発

構造設計の仕事には、新築建物の計画・設計以外にも既存建物の耐震診断や補強計画などがあります。タワーの場合も同じで、先程紹介した東京タワーのように既存のタワーを補強して使用する例もあります。建物や鉄塔を補強する方法としては大きく分けて、

  1. 弱い部材を取り替える、あるいは補強する
  2. エネルギー吸収部材を新設することによって既存部材に作用する力を低減する
の2つの方法が考えられ、東京タワーの場合は両者を組み合わせた計画であるといえます。 3年程前になりますが、「CFTタワー」の提案を行っている最中に、ある通信鉄塔の耐震補強の提案をする機会があり、我々は上記のうち 2 の方法を選択しました。具体的には、鉄塔の頂部から鉄塔と同じ周期で振動するように設定したおもりをぶら下げて、更におもりと鉄塔をオイルダンパー(エネルギー吸収材)で繋ぐものです。いわゆるTMDです。

開発したTMDシステム
開発したTMDシステム
風振動低減用TMDの例風振動低減用TMDの例
TMDとは (Tuned Mass Damper)
TMDはおもりとばねとダンパーからなる制振システムです。おもりが構造物の振動周期に同調して構造物と逆方向に振動し、ダンパーがその振動エネルギーを吸収することによって、構造物の揺れを低減する仕組みになっています。