NEWS 2023.06

「大成建設技術センター 風のラボ」が作品選集2023に掲載

  • 内観(風洞実験装置設置前):3枚のCLTによる非対称門型ユニットが連続する空間

    内観(風洞実験装置設置前):3枚のCLTによる非対称門型ユニットが連続する空間

  • 外観(夕景):CLTの門型フレームが浮かび上がる

    外観(夕景):CLTの門型フレームが浮かび上がる

  • 外観:傾斜したCLTパネル部分に設置した窓から内部のCLT構造架構が見える

    外観:傾斜したCLTパネル部分に設置した窓から内部のCLT構造架構が見える

  • 内観:CLTの木肌を活かした温かみのある空間にCLTの隙間から自然光を採り入れる

    内観:CLTの木肌を活かした温かみのある空間にCLTの隙間から自然光を採り入れる

  • プッシュアップ工法の検証実験

    プッシュアップ工法の検証実験

一般社団法人日本建築学会が2023年3月に刊行した「作品選集2023」に当社設計・施工作品の「大成建設技術センター 風のラボ」が掲載されました。
作品選集の刊行は1989年に始まり、日本における優秀な建築作品の発表の場として国内外より高い評価を受けています。

一般社団法人日本建築学会:https://www.aij.or.jp/

大成建設技術センター 風のラボ

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施設構成のアクソメ図

施設構成のアクソメ図

プッシュアップ工法の施工手順

プッシュアップ工法の施工手順

CLT単独の大スパン構造システム「T-WOOD® SPACE」による大型風洞実験棟

近年国産木材利用の促進とともに、中・大規模建築の木造化が推奨されています。その中でもCLTは法整備も進み、国産で最大12m×3mの大判パネルの製作が可能となり、様々な場所で利用されるようになってきています。これまでCLTは、比較的小規模で部屋が小割になった住宅や宿泊施設での使用事例が多かったのですが、最近では面剛性の高さを活かした耐震要素として他の構造と組み合わせた形式や、屋根架構としての利用事例もみられます。
本施設では、大型の風洞実験施設を収容するための幅8.5m×高さ9m×奥行き42mの大空間を確保した建屋を、CLT単独の構造により実現することを目指し、3枚のCLTで構成する非対称門型ユニットを交互に並べて構築しました。CLT単独の構造としては国内最大級の12mスパンが可能な3ヒンジ架構の構造システムを開発しました。

木の温かみのある大空間

内部の仕上げを構造体であるCLTの表しとし、木の温かみや香りを感じることのできる空間となっています。
隣接するCLTの間に生まれるすき間から自然光を間接的に採り入れ、明るく健康的な内部空間を提供しています。
また、正面のカーテンウォールや側面の窓を通して、構造フレームを外部からも見ることができるようにしています。

プッシュアップ工法による施工の省力化

地上組したCLTパネルユニットをプッシュアップ工法で立ち上げることで、一般的な建て方の工法と比べて施工の省力化が可能な構造システムとなっています。
プッシュアップ工法は、1/2サイズのモックアップによる実証実験を行い、施工実現性を確認しました。
(本施設では、施工条件が合わず不採用)

建物概要

  • 建築主
    大成建設株式会社
    所在地
    神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344-1
    用途
    研究所(大型風洞実験)
    構造
    木造(CLT構造)
    階数
    地上1階
    敷地面積
    34,821.92m2
    建築面積
    413.05m2
    延床面積
    490.21m2
  • 工期
    2018年11月~2019年8月
    設計
    大成建設株式会社一級建築士事務所
    施工
    大成建設株式会社横浜支店
WORKS:
大成建設技術センター 風のラボ
NEWS:
2020年度日本建築家協会優秀建築選(100選)に4作品が選出
NEWS:
「大成建設技術センター 風のラボ」がウッドデザイン賞2020入賞
FEATURE:
木の魅力を引き出す新しい木造・木質空間

大成建設担当者

  • 杉江大典
    建築設計
    杉江大典
  • 﨏真介
    建築設計
    﨏真介
  • 島村高平
    構造設計
    島村高平
  • 坂口裕美
    構造設計
    坂口裕美

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